やっとのことでクリア出来ました。購入してから1ヵ月半、飽きっぽい性格の私としては本来は既に積みゲー行きのところでしたが、浮気しながらもクリアすることが出来たのはLAIRが持つ魅力の大きさによるところが大きいでしょう。最後なので相当に長くなってしまいました・・・。

※当ブログ内では文中は全て「LAIR」で統一しております。

【良いところ】
・圧倒的な映像美
今までのLAIR記事でも散々書いてますので今回は控えめに。
やっぱりLAIRの最大の魅力は「美麗な映像」であり、これはフルHDTVを所有している人だけに与えられた特権とも言えます。勿論ノーマルHDTVでも十分に美しいのですが、やはり精細感が全然違いますね。これまではプレイアブル映像の美しさだけを今まで書いてきましたが、当然の如くプリレンダムービー映像は更に美しいです。PS4の時代にはこのフルHDのプリレンダ映像が60フレームでリアルタイムに楽々動かせるんだろうなぁ。

・素晴らしい音楽
最後まで音楽が盛り上げてくれました。所謂「映画音楽」なんですがジャンルを問わない楽曲の素晴らしさは特筆したいと思います。しかし、これだけ素晴らしいゲーム音楽でありながらサントラCDが発売されていません。マルチchに対応したSACDでリリースしていただけたら確実に購入します。

・洋ゲーらしいバタ臭さが無い
私が男性だからかもですが、「洋ゲー」「洋キャラ」で感じる最大の違和感が女性キャラだったりするのです。「アンチャーテッド」も序盤のムービーに登場する女性キャラ(エレナ)が私の感覚から見ると相当バタ臭いので洋ゲー風味が強いんですよね。
でも、LAIRではこれでもかと言うぐらいに女性キャラが出てきません。声付きだったのは2名ぐらいだったと思いますし、スキンヘッドに老婆だったりします(笑)
そのお陰でしょうか?洋ゲーらしいバタ臭さがそれ程感じないのですが、その代わりに男臭くなっています。物語は相当に暗くて硬派な話ですので、世界観にはピッタリで上手くフィットしています。逆にお姫様や女性スカイガードとかが登場していたら世界観が崩れただろうなぁと。Factor5がどこまで意図的にやったのかは判りませんが、ストイックにゲーム世界を作り上げた姿勢は素晴らしいと評価したい。

・6軸フル活用の操作性
LAIRで最も大切な中核部分でありながら、否定論者からは最も攻撃されやすい要素です。事実、説明書だけでは80%ぐらいまでしか思うように操作は出来ません(詳細は後述)。しかし、自由に操作できるようになると素晴らしく気持ちよくなってきます。ある程度まで進めた方なら「アナログスティックではここまで操作出来ない」と感じているでしょう。
また、残念ながら現時点ではDUALSHOCK3の振動には対応していません。北米では正式に発売されていないのですから仕方無いのですが、DS3発売前ぐらいにはパッチで対応してくれることを期待しています。

【悪いところ】
・物語が淡々としている
これが北米風なんでしょうか。ミッションパートの間に少しだけイベントシーンが挿入されいる感じです。物語や登場するキャラも魅力的で気に入っているのですが、もう少しイベントシーンで盛り上げて欲しかったようにも感じます。この辺りは日本のイベント主体のゲームに慣れた感覚で観ているだけなのかも知れません。しかし死んだとばかり思っていたジェヴォン君の軽妙さはエルガイムのキャオやドラグナーのタップを連想させますって二人ともデネブじゃねーかyo。

・説明書の操作方法が不十分
下記に詳細を書きましたが、説明書を読んだだけでは完璧にドラゴンを操ることが出来ません。これが発売前レビュー時の低評価に繋がったのかもと考えると非常に惜しいとしか言えません。

・戦闘の盛り上がりが少ない
元々がシューティングゲームでは無いのですが、クリア条件が多岐に渡っていて複雑です。はっきり言うと「爽快な」ゲームではありません。軍隊同士の戦争ステージではストラテジー要素も含まれており、何もせずに美しい風景を眺めていただけでクリア条件を満たすことすらあれば、逆にこちらは順調に周囲の敵を殲滅していても主要味方キャラが撃墜されて強制的にミッション失敗になる事だってあります。少なくとも今年に入って「なんでやねん」と言う言葉を最も発したゲームです。
メインのシューティング部分も十分な完成度ですので単純なフライトシューティング寄りの味付けにした方が「爽快」で受け入れられやすいゲームになったと思います。戦略要素は次回作で思いっきり練りこめば良かった訳ですし。

・空を自由に飛びたい
LAIRには広大で美しいステージが15面も用意されています。どのステージも特色があり、手抜きなどは全く感じる事が出来ないのですが、残念ながらゲーム中では自由に飛ぶことは許されていません。ミッションクリアを放棄していても敵からは攻撃されるし仲間からは怒鳴られるしと良いことなしです(笑)DS3対応パッチの時にでもクリアしたステージは自由にフライトできるモードを追加して欲しい。欲を言えばオンラインでドラゴン同士のコンバットが楽しめるモードがあれば最高なんですが、これも次回作に期待したいところです。

【説明書には記載されていない事】
最初は標準の説明書だけでプレイしていたのですが、中盤以降ぐらいから厳しくなってきました。攻略ページや2chのスレッドの助けを借りてクリアすることが出来ました。

・ファイアボール大
ドラゴンの基本攻撃は□ボタンによる「ファイアボール」と「ファイアブレス」です。実際にブレスは地上戦以外ではそれ程使わないのですが、何も知らないとファイアボールは「ぽんぽん」と連射してしまいます。
説明書にも「ボタンを連打すればするほど威力が下がる」と記載されているのですが、実は1~1.5秒間隔で放った「ファイアボール大」は強烈な威力を発揮します。「溜め撃ち」とも違うので感覚が掴みにくいのですが、ミッションで砲台を破壊していくステージでは時間短縮になりますし、マンタのような巨大な敵でも数発で倒せます。ある意味強すぎとも言えますが。

・ダッシュ
説明書には「勢いよく前へ突き出す」と記載されてますが、どちらかと言うと斜め下に軽く振り下ろす感じですね。手首の返しだけで発動します。

・クイックターン
説明書には「勢いよく上に上げる」と記載されてます。「勢い」はそれ程必要では無いのですが、上に上げた後に少し(0.5秒ほど)だけ保持するようにすれば発動します。持ち上げた直後に動かしたりすると不発になる場合が多いですね。

上記の3点はクリアに必要な要素にも関わらず説明書では不足している情報です。私はクイックターンが殆ど発動しなかったので、コントローラの不備かと思っていました。でも実際に二つ所有していたSIXAXISの片方は更に発動しにくかったのでセンサーの個体差はあるのかも知れません。

【最後に】
このゲーム、はっきり言って癖があり、気軽に他人に勧める気にはなりません。不親切で説明不足な所は「古いタイプ」のゲームなんでしょう。しかし映し出される映像や音響は正に最先端で最高のレベルです。Blu-rayの大容量を贅沢に活用したリッチなゲームで、まさに「PS3専用」ソフトです。

LAIRの映像や世界観に少しでも興味を持った方は是非とも一度プレイして欲しいと思います。そして「んー不親切だなぁ・・」と投げ出しそうになっても、「ほんの少し」だけ頑張って先を観て欲しいのです、新たなステージでは違った驚きがプレイヤーを待ち受けていますので。

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これがゲーム中の映像

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で、同じ建物のプリレンダムービーの映像。精細感が段違いですね。

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仲良くツーショット。