PS3版「428 ~封鎖された渋谷で~」をクリアしましたので、軽くネタバレ無しの感想を書きます。まずはサウンドノベル「428」の特徴は下記の通り。

・顔出し、ボイス無し
・1時間のタイムスパンで進行する物語
・HD映像と5.1サラウンドによる臨場感(PS3版)

まず、フルボイスの「忌火起草」に対して「428」はボイスが一切ありません。個人的にはギャレン橘さんや東方不敗の声を聞きたかったのですが、顔と声の両方を出してしまうとプレイヤーのイメージが固定されてしまうのでしょうねぇ。

そして、複数の登場人物のシナリオが同時に進行し、相互に作用する「ザッピングシステム」を採用しているところまでは「街」と同じですが、「428」の場合は中軸となる物語があります。その物語に対して様々な立場の登場人物が直接的に間接的に関係していくスタイルになります。

物語は1時間のタイムスパンのみでザッピングし、登場人物全ての物語を「BAD END」以外に持ち込まなければ次のタイムスパンに進むことが出来ません。これは、チュンソフト中村氏のコメントどおり「24」を意識した演出なのでしょうが、プレイ可能な範囲を短めに区切る事により相互の関係性をより密接に絡ませる事と、「コンパクトで遊びやすいゲームにする」効果を両立させています。

これからはPS3版の特徴になります。ゲームとしての「追加要素」は無いのかもしれませんが、PS3に移植されることにより当然のごとく映像はHD化されます。若干のざらつきは感じるものの地デジ以上BD未満の画質による映像表現力の向上、そして5.1サラウンドによる臨場感の向上により「サウンドノベル」として一段階高いレベルの作品に仕上がっている事は間違いないでしょう。残念ながらメニュー画面等でWii版のSDデータを流用している部分が散見されます。出来るならばこのあたりもきっちりと作りこんで頂きたかったところです。


さて、一通りプレイした「428」の感想は・・・・「面白かった」の一言なんですよね(笑)チュンソフトのサウンドノベルだし、Wii版のクロレビでは満点を獲得するし、と「期待をするな」というのが無理なハードルの高さではあるのですが、それでも期待通りに面白いサウンドノベルを世に提供してしまうチュンソフトには本当に脱帽してしまいます。手馴れたクリエイター達が細部まで計算しつくして作り上げた「職人の完璧な仕事」を堪能させていただきました。

当然のように次回作への期待も高まるのですが、今度はPS3版も同時発売して欲しいですねぇ。

最後に余談というかネタバレでもないので書きますが、今の時代で「腕時計」ネタは卑怯ですよね。見事に私は「不要なもの」「邪魔なもの」と連想してしまいましたよ(笑)

公式サイト
428 ~封鎖された渋谷で~ PS3/PSP版