TOV終了直後の休日と言うことで、順番では「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団(Uncharted 2)」になりますが、良い機会だなと思い発売されたばかりの「inFAMOUS」と同じタイミングで序盤1時間ずつプレイして比較することにしました。こういうときにPS3が複数台あるとディスクの交換が不要で便利ですな。

さて、SCEブランドのサードパーソンアクション(シューティング)ということで似たゲームとの印象を持つ方もいらっしゃるかも知れませんが、両作品は全く違うジャンルのゲームです。

・inFAMOUS
開発:Sucker Punch
ジャンル:オープンワールドアクション
CEROレーティング:Z(18歳以上対象)
オンライン:未対応
ローカライズ:字幕
インストール:必須

・アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団
開発:Naughty Dog
ジャンル:アクションアドベンチャー
CEROレーティング:C(15歳以上対象)
オンライン:対応
ローカライズ:吹き替え・字幕
インストール:無し


まず、「Uncharted 2」は典型的な1本道のアクションアドベンチャーで、本編プレイ中の自由な行動は極端に制限されています。対する「inFAMOUS」は任意にミッションを受けることによって物語を進行させる形式で、何も受けなければ町中で自由に走り回ったり善悪に準じた様々な行動を行うことが出来ます。GTAシリーズや龍が如くに似ていますね。流血表現等は「Uncharted 2」の方がエグイのですが、「inFAMOUS」は一般市民を攻撃できたりしますのでその辺りがレーティングの差になるようです。

次に主人公の対比。「Uncharted」のネイトさんは超人的なタフさとぶらさがり能力を保持していますが一応人間です。対する「inFAMOUS」のコール君はチェルノブかエレクトロマスターLV6に匹敵する「ホンモノの超人」で、高いところから飛び降りても平気ですし、ビル登りも三平三平の岩飛び程度の軽快さなんです。まぁ銃撃に対する抵抗力はネイトさんもコール君も同じ程度で、コール君の能力ならGNフィールドぐらい張れそうな勢いなんですけどねぇ。

演出について。「Uncharted 2」は思わず声を上げてしまうド派手な演出が序盤1時間でも相当盛り込まれています。カットシーンとゲームプレイが同等の品質で展開されますし、ゲームプレイ中にもダイナミックな舞台演出がこれでもかとゲームを盛り上げます。これらの一連がロード無しで再現されるあたりNaughty Dogの開発技術には今更ながら舌を巻くわけですが、カットシーンとゲームプレイが実にテンポ良く切り替わる事にも感心してしまいます。まさに技術力と演出力が上手く噛み合っているからこそ実現できた「ゲームのための演出」であり「演出のためのゲーム」なのです。

対する「inFAMOUS」の冒頭もなかなかに派手な状況からスタートします。崩れ落ちる天井の演出も実にハイレベルで、このシーンだけでもSucker Punchの安定した開発力が伺えました。ただ個人的にはコール君をゲーム内で超人として表現するにしては「地に足が付きすぎ」な演出かなと感じました。もっと外連味を出しても良かったんじゃないかな。

最後にゲームプレイ。「Uncharted 2」は前作から比べるとゲームプレイ自体は殆ど変わっていません。銃を撃つ感覚も、壁や色々なところにぶら下がる感覚もほぼ同じで「正統な続編」と呼ぶに相応しい安心感です。

「inFAMOUS」も新規IPながら従来のTPS操作を継承しているために違和感はありません(要するにアンチャ2とも基本部分は同じ)。ただ「inFAMOUS」の操作感の特徴は超人ならでは?の軽快さで、前述の通りビルをホイホイとよじ登って電撃で敵を倒し、直後に隣のビルに飛び移って範囲攻撃で一網打尽にすると言った「超人アクション」が気軽に実行できます。まぁそもそもジャンルも違いますし、ゲームプレイについて両作品は全くの別モノなんですが、どちらも「ストレスのない操作感」を実現しています。

あと、気になったところとしては「inFAMOUS」はミッション中にセーブしても、ロード再開時にはミッション開始前に戻ります。獲得した経験値は記録されますが、中断セーブ機能が欲しかったところです。


今回の同時インプレを実施するにあたり「inFAMOUS」→「Uncharted 2」の順番でプレイしました。先にアンチャ2をプレイするとそのまま進めてしまう可能性もありましたしね(笑)

確かに一緒に比較してしまうと、どうしても「Uncharted 2」の評価が高くなってしまいますが、「inFAMOUS」の良さも十分に感じ取れた1時間でした。行動による善悪のパラメータ推移も判りやすく明示されますし、良い意味でデジタルに判断してプレイ出来るゲームです。個人的には隠しパラメータや、ウルティマ4のようなシーソーパラメータとか好きじゃないんですよね。

そして両作品とも流石はPS3専用開発と感じさせるプログラムの安定感が光ります。SCEは今後もファーストタイトルの開発に力を入れていくようですし、新規IPへの取り組みについても積極的ですので不安はありません。

一方サードについて、確かにワールドワイドタイトルでマルチ化は仕方ない部分もありますが、完全な日本国内向けタイトルについては話は別です。そろそろPS3専用開発の方が利益を出せる段階に到達したのでは無いでしょうか。ウイイレとかも国内他機種版は今話題のtrue tears方式で、ある一定以上の本数ラインを引いた完全受注方式にすれば皆喜ぶと思います。

現時点ではFFXIIIまで新作タイトルを購入する予定はありませんし、年内は「Uncharted 2」「inFAMOUS」「FIFA 10」の良作3本をじっくりと楽しもうかと。

Infamous20090508022708489

Uncharted2amongthieves2009081800565
なんとなく似たシーンを選んでみたり


B002NKLXWY INFAMOUS ~悪名高き男~【CEROレーティング「Z」】
ソニー・コンピュータエンタテインメント  2009-11-05


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B001N2LWCE アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団
ソニー・コンピュータエンタテインメント  2009-10-15


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