2010年10月7日の発売が予定されている「ENSLAVED ODYSSEY TO THE WEST」の体験イベントに参加させて頂いた際、参加ブロガー共同による質問事項にご回答頂きましたので紹介します。今回は開発を担当したNinja TheoryのTameem Antoniades氏による回答一覧です。







Q:開発で苦労した点や楽しかった点など 
A:ENSLAVEDの開発にあたり、Alex Garland、Andy Serkisの両名と共に仕事をする事にしました。Andyとは以前「Heavenly Sword」で仕事を一緒にしており、今回はモンキーのモーションキャプチャーに関する一連の作業をお願いしました。Alexにはライターとしての作業を今回はお願いし、我々の思い描いたストーリーを元に今回のドラマ性のある内容を作り上げてくれました。両名共に早期の段階より仕事を共にしており、2年ほど共に仕事をしてきました。

Alexは上記の仕事と同時に演技やドラマ性の向上を意見するコンサルタントとしての仕事も後にお願いし、最終的にはデザイナーとしてクレジットでは紹介されています。彼は毎週オフィスに来てゲームを実際に試遊、その後デザイナーと良い点や改善点に関しての打ち合わせをその都度行いました。通常は映画のプロデューサー、ダイレクターとして活躍する彼の視点からの意見は非常に新鮮で、ゲーム内のドラマ性、雰囲気作り、テンションの構築方法など非常に有意義な意見ばかりでした。

Q:西遊記を題材にした経緯は?
A:4年程前に「Heavenly Sword」のリサーチをしている際に西遊記を読んだのが始まりになります。個人的には「ロード・オブ・ザ・リング」と同様のスケールを持ち合わせる壮大な作品であるとその時感じました。個人的にも一度題材にしてみたい内容でもありますが、実はイギリスの30歳を越える人なら「Monkey Magic」と呼ばれた日本のテレビシリーズの作品として、知っている人が多いのも事実です。とりあえず次回作では違うアプローチをと考えていた時期に、社内でもSF好きなスタッフが多かった事実もあり、西遊記をベースにSFのタッチを加えた次回作の方向性が決まった流れになります。

Q:トリップの年齢・スリーサイズを教えてください。
A:モンキーとピグシーはミステリアスなキャラクターなので詳細は不明となります。また、彼らの世界では誕生日といった概念等無く、血液型も同様の扱いになっています。トリップに関しては教養のある背景を持ち合わせますが、とりあえず彼女が19歳である事はお伝えしておきます。

Q:沙悟浄は出ないんですか?
A:残念ながら予定はありません。本作はモチーフを西遊記としているので、一部のキャラクター設定は確かに原作に類似しますが、全員に対応している訳ではありません。原作は長編大作なので、仮にゲームの続編が検討されるとなった場合は、採用の可能性が出てくるかもしれませんね。

Q:Alex Garland氏とAndy Serkis氏の、本作の製作にまつわる話が何かあれば教えてください。
A:Andyとは以前「Heavenly Sword」の仕事を一緒にしました。そして今回はモンキーのモーションキャプチャー一連の作業をお願いした次第です。Alexにはライターとしての作業を今回お願いしています。我々の思い描いたイベントの台詞や内容を考えてもらい、ストーリー性とドラマ性を構築してもらいました。両名共に早期の段階より仕事を依頼しており、2年ほど共に仕事をしてきました。

Q:単調なアクションだけではなく多々のゲームの良いところを良いバランスで注入され、飽きさせないつくりになっているように配慮された作品だと感じたのですが、今回注入できなかった要素、アクション、ゲーム要素等あるのでしたら教えてください。
A:これは永久テーマですね!確かに採用出来ずにいる要素も多く存在するので、今後のお楽しみにと言う事で。ただし本作は非常に良いバランスが取れた内容に仕上がった自信はあります!

Q:今作品の開発にあたりNinja Theoryとバンダイナムコがタッグを組む事になった経緯は?
A:我々は3ヶ月ほど早期デザインの準備に費やし、仮の初期アート書き起こし、2分間のトレーラー作成などを行いました。内容に満足の行く物が出来たタイミングから複数のパブリッシャーを営業に回りました。スタッフ全員を総動員すると同時に費用も無論我々負担の準備期間でした。多くの方向から興味を示されましたが、その中でBNGが最も積極的に支援を表明してくれた経緯にあります。

Q:Ninja Theoryからの企画とのことですが、最初から西遊記という作品をモチーフに企画されていたのかどうか。
A:そうですね、早期の段階から西遊記をモチーフにするつもりでいました。4年ほど前に原作を読んだ際に、これはやってみたいと思いました。「Heavenly Sword」のような方向性で行くつもりはなかったので、SFチックな作品にする事にしました。よって本作は西遊記がモチーフにされた、オリジナルストーリー、キャラクターやステージが組み込まれたNinja Theory社のオリジナル作の位置づけにあります。

Q:今回の開発のリードプラットフォームはどちらになるのか。
A:我々の開発過程では特にリードプラットは存在しません。両ハード共に同時進行で作業を進め、ハード間の差異が出ないよう注意している流れになります。

Q:何故生き物対生き物じゃなく、生き物対機械にしたのか。
A:原作の西遊記では孫悟空が三蔵法師を魔物から守る設定になっています。ENSLAVED は近未来の設定なので、魔物を機械に変更しました。同時に魔法などを科学技術に置き換えた設定になります。一部の格闘に関しては、映画「Casshern」を再現したく対応しました。映画を知っている人はどこか分かるはずです!

Q:海外のインタビューでマルチプレイヤー機能のDLCなどは追加しないとしていましたが、元から考えていなかったのか。また今後もマルチプレイヤー機能に関しては追加する予定は無いのか。
A:本作はあくまでもストーリーに重点を置いたシングルプレイのゲームである位置づけを強調したかったからです。モンキーとトリップの関係を深く感じてもらうべく、プレーヤーにはモンキーになりきってもらいためとも言えます。

Q:Ninja Theoryの開発にバンダイナムコからはどの様に開発に加わったのか。
A:我々の窓口は主に開発の初期段階からサポート頂いた北米の担当者になります。彼らには毎月最新のロムを見てもらい、感想や改善点を意見してもらう流れで来ました。同じロムは日本側の担当者へも渡り、彼らも感想などを述べてくれました。総合的な感想としては、初期より何を作りたいか分かっていたので、そこまで問題もなくスムーズだったかと言えます。

Q:やり込み要素はありますか?
A:ゲーム内には赤い球体が点在しており、それらを集めるとトリップがモンキーの体力向上や道具の改善など、様々な能力をアップする事が可能になります。モンキーを本気で強くしたい場合は、一個でも多く集める事をお勧めします。また、隠し要素もあるので時より既に行った場所に戻るなど、全真相を知るにはそれなりに隅々まで探索が必要になります。

また、私からのお勧めとしてはゲームを「ハード」でプレーしてください。敵との格闘が非常にシビアになり、戦略性もより重要になり、臨場感がかなり出てきます。

Q:開発期間はどれぐらいかかりましたか?また、開発スタッフとして、何人ぐらいかかかわったんでしょうか?
A:期間は前述の通りで、開発スタッフピーク時で70人程が関わっていました。

Q:開発にあたり、何か意識したことはありますか?また、参考にしたものはありますか?
A:我々が参考にしたのは400年以上も前に中国で書かれた西遊記になります。ストーリー自体はそれとなくベースにされていますが、モンキーが三蔵役にあたるトリップに支配されるなどの基本形はそのままにしてあります。

別途参考にした事例を挙げるとしたら、TVショーの「Life After People」が挙げられます。この番組は、もし地球上から人間が突如と消滅したらどんな世界がなるか?をテーマにした番組です。この番組により如何にして自然が再びその姿を取り戻すのかを考えさせられました。

Q:三蔵から一定の距離をとると、悟空が即死してしまいますが、なぜ、HP減少などではなく、即死を選んだのでしょうか。
A:一応補足しておきますと即死すると言うよりは、距離があくと画面上に警告が表示される等、一定の猶予期間は存在します。モンキーが苦痛に見舞われだすと、より近くに戻らなくてはと感じる構造になっています。

トリップは最終手段としてモンキーを奴隷化した経緯にあります。置かれた環境があまりにも苛酷すぎ、自身での生存は無理と悟ったからです。モンキーの力や能力が唯一の生存の道といった訳です。他のタイトルなどでもこのような関係は存在しますが、やや理由が不透明な設定の場合が多いかと思いますので、ちゃんとストーリーが理解してもらえるよう気を使った経緯もあります。

Q:実績やトロフィーは結構簡単に解除・取得できますか?また、通常プレイでは何割ぐらい解除・取得できるのでしょうか。
A:アチーブメント(実績)、トロフィー共に対応しています。一回目のプレーにてそれなりの数がアンロック可能ですが、完全に揃えるには何度かのチャレンジが必要です。

Q:どういったユーザーに遊んでもらいたいですか?メインターゲット層などがありましたら、教えてください。
A:ゲームに限らず、映画や読書等の物語全般が好きな方にはお勧めしたいです。ハードコアのゲーマーであっても、完全に初心者であっても今作の旅を楽しんでもらいたいですね。ターゲット層ですか?誰もがターゲットです。個人的には新たにゲームを始める方にも、まるで映画を見て得る爽快感を感じてもらえる出来かと思っていますので。


私も別記事で取り上げたドラマ「西遊記」がモチーフの一つであることも回答の中にありましたね。ピグシー(猪八戒)のキントウンにハンドルが付いているのかどうかが気になる・・・(笑)

公式サイト
ENSLAVED ODYSSEY TO THE WEST

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