2010年10月7日に発売された「ENSLAVED ODYSSEY TO THE WEST」を数時間プレイした感想を書きます。物語的なネタバレは無しの方向で。







私は当タイトルの発売前体験イベントに参加しています。体験会の模様及び質疑応答、関連記事は下記URLからどうぞ。

「ENSLAVED ODYSSEY TO THE WEST」発売前体験イベントに参加しました
質問にご回答頂きました(バンダイナムコ編)
質問にご回答頂きました(Ninja Theory編)
「ENSLAVED」の原点はあのドラマだった

ゲームの概要等については既に紹介済みですので、今回は実際に製品版をプレイしてからの感想を書きます。現段階では終盤に入ったあたりでしょうかね、プレイ時間は9時間前後です。あくまでもクリア前の感想である事をご了承願います。

・モンキーはかなりのナイスガイ
主人公のモンキーはプレイヤーの分身となる訳ですが、このモンキー君がなかなか魅力的なキャラクターである事を取り上げておきます。かなり理不尽な状況でトリップとの主従関係を強要されたにも関わらず文句を言ったのは最初だけで、後は任務?を全うするべくゴリラの如く活躍するのです。

かといってトリップの言いなりになるのではなく、寡黙ながらも必要なところでは主張しますし、状況によっては思いやりや優しさも見せる懐の広さを併せ持ったナイスガイです。モンキーの年齢は不明ですが、まさに素晴らしいオッサンと呼ぶべき人物でしょう。

そんなモンキー君が戦闘で敵を倒した際、敵のボディを真っ二つにして画面中心から顔がドアップになる演出が凄く格好良いので必見です。残念ながら海外サイトでもショットが見つからなかったので、是非ともプレイしてお確かめ下さい。

Photo

・マスク収集が面白い
当ゲームの収集要素としてオーブとマスク収集があります。マスク収集はゲームが有利になる要素では無いようですが、触れると謎の映像がフラッシュバックされていきます。詳しくは書きませんが、この映像が中々に興味深くて面白いので一見の価値ありです。

・オーブを使ったパワーアップは適時行おう
オーブはモンキーの武器や能力を強化するための対価となりますので、なるべく集めておきましょう。私も子供の頃に祖父から「光るものはなるべく取っておきなさい」と教えられて育ちました。トリップショップによるパワーアップもゲーム途中から利用可能になりますが、その名の通りトリップが近くにいないと利用できません。HPの自動回復能力等もショップによるパワーアップ項目になりますので、欲しい能力のポイントまでオーブが溜まったら適時パワーアップしておいた方が良さそうです。

・クラウド(キントウン)の操作が楽しい
ゲーム途中からクラウド(キントウン)が使用可能になります。と言いますかモンキー君は最初から持っていたはずですが、必要に応じて思い出したかのように使い出します。それまでのステージでも使ったら楽にクリアできた場面もあったはずですが・・・キニシナイ(笑)水上を滑走するステージは爽快ですし、戦闘で重要な役割を果たすステージもありますので、R3で使用可能な状況になったら思う存分ライディングしてやって下さい。Photo_2

 

・気になったこと
プレイしていて若干気になったことを書いておきます。

字幕がデフォルトではオフだったりする
これはPS3版だけの現象でしょうかね?他のPS3でも確かめましたので私だけの問題ではないと思いますが、字幕がデフォルトではオフになっています。当タイトルは英語音声ですので、ゲームスタート前に切り替えておかないと導入部分の話が掴めない可能性もあります。

カメラワークに若干の癖がある
次はカメラワーク。カメラ視点は自由ですが、壁際等ではカメラが勝手に動くので戦闘中では敵から視点がそれる場合がありますので要注意。

キントウンが使えるところと使えないところがある
キントウンについてはもう少しゲーム的に「使える・使えない」の区別をはっきりさせた方が良かったかなと思います。使える場所では「使わないと進めない」場所でもありますので、気にしなければ良いだけなんでしょうけどね。

ショットの構えが左右切り替え出来ない
モンキー君は基本肉弾戦の人ですが、ステージによってはロッド(如意棒)のプラズマ弾やスタン弾による攻撃が必須になります。TPSタイトルでは標準的な右構えと左構えの切り替え機能がないので、場所によっては隠れながら狙撃することが難しかったりします。まぁ隠れる場所を工夫すれば良いだけですけど。

・現時点での感想
緑生い茂る美しくも荒廃した世界に徘徊する無機質で凶悪なロボット、登場する生き物はごく限られた数名のキャラクタだけ、「ENSLAVED ODYSSEY TO THE WEST」の描き出すゲームの舞台は一見すると実に救いのない未来世界です。そして物語はごく少数のキャラクターを掘り下げ躍動させる事でプレイヤーをぐいぐいとゲーム世界へと引っ張っていきます。

私が当タイトルをプレイして一番印象に残ったのは「物語」と「ゲーム」を明確に融合させようと意図して開発された「海外作品」であるという事です。道なりの矢印に沿って敵を倒しながら進んでいけば話の筋が淡々と進んでいく事が多い海外TPS/FPSとは違い、「ENSLAVED」では各々の登場人物が目的や意志を持って行動します。そして幕間の繋ぎにはしっかりとカットシーンが挿入される事で話が連動しますし、ぶつ切り感が無いのがプレイしていても気持ちがよいのです。

このあたり、本来であれば日本のデベロッパが得意とする作品作りを英国のNinja Theoryが高い着地点をもって成し遂げようとしている事に改めて驚かされます。映画等で活躍しているプロの脚本家によるシナリオの完成度も高いのでしょうが、登場人物を思いっきり絞った事で程よく濃密に纏まったのかもです。演出面でも、言葉でむやみに説明しないのが好印象で、登場人物の関係性が少しずつ変わっていくところも表情やキャラクタの演技で巧みに演出しています。

まぁ話はまだ終盤に入ったばかりですので今後の展開は私も知りませんし、ブログに書くつもりもありません。シナリオの善し悪しは結局は個人の好みになりますしね。残念なのは沙悟浄に該当するキャラが登場しない事(これは確定)でしょうかねぇ。

今回は「ENSLAVED」の物語について中心に取り上げましたが、アクションゲームとしての面白さも物語に負けていない事を最後に書いておきます。クライムアクションの超人っぷりも作品の世界観から乖離している程でも無いですし、シンプルな戦闘システムは覚えやすく取っつきやすく、トリップとの連係プレイを含めて考慮すると全体的には好バランスだと感じました。

Ninja Theoryも色々と開発が立て込んでいるとは思いますが、更なるクライムアクション、更なる連係プレイ、更なる濃密な物語を融合させた続編にも期待したいところです。

公式サイト
ENSLAVED ODYSSEY TO THE WEST


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バンダイナムコゲームス  2010-10-07


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