気まぐれで購入した「電撃ゲームス」最新号に掲載されていた「クリエイター71人が選ぶ2010年の注目ゲーム」が興味深かったのでご紹介。







これは国内の第一線で活躍する現役ゲームクリエイター71人に幾つかのアンケートを行った企画で、設問の一つに「2010年で面白かった自作品以外のタイトル」というものがありました。一人につき最大3タイトルまで挙げることが出来ます。

結果として目立ったタイトルは「ヘビーレイン」と「レッド・デッド・リデンプション」の2本です。順位の内訳は下記の通り。

【ヘビーレイン】
1位:12名
2位:8名
3位:1名
計:21名

【レッド・デッド・リデンプション】
1位:13名
2位:4名
3位:3名
計:20名

ほぼ拮抗していますけど挙げた人数が1名多いこと、2位に挙げた人が多いことを考慮すると「ヘビーレイン」がクリエイター人気のトップと言えそうです。電撃ゲームスの表紙もヘビーレインのイーサンですし。

「ヘビーレイン」の素晴らしさは、尋常ではないグラフィックの作り込みですらゲーム世界の一部として溶け込ませてしまった事です。これでグラフィックが程々ならば「安っぽい」印象になりますし、ゲーム部分がお粗末ならば「映像だけのゲーム」と揶揄されている訳です。それだけシステムや操作性や物語とグラフィックや音楽がバランス良く融合していたのでしょう。

クリエイターコメントも面白かったですね。独特な操作性が産み出す絶妙な一体感と圧倒的な映像美で築き上げられた没入感が高く評価される一方で、サイバーコネクトツーの松山社長のようにクリエイター視点で悔しがっている方もいらっしゃいます。

ただし、「レッド・デッド・リデンプション」や「ヘビーレイン」のようなリッチな大作ゲームを本気で目指せる日本のクリエイターやスタジオはごくごく限られてしまうのも事実です。

ヘビーレインの開発はフランスの独立系デベロッパであるQuantic Dreamになりますが、SCEがパブリッシャを担当し開発援助も行っています。RDRのRockstar Gamesもタイトルを絞り込んで尖った大作を世に送り出すところで有名です。おいそれと真似が出来る体制ではないですよね・・・。

私はHDゲームが大好きですが、全てのゲームがリッチな大作ばかりでは退屈です。また、ゲームファンとして「作っている人達の姿が見えない」ゲームには良い印象を持ちません。海外タイトルの表面だけを真似したゲームからは開発陣の姿が見えてこないのです。「ヴァンキッシュ」クラスなら文句はないのですけどねぇ。

海外デベロッパの真似ではない、日本の文化に即した日本らしいゲームを日本のデベロッパには期待したいところです。

B004S2416U 電撃ゲームス Vol.19 2011年 05月号 [雑誌]
アスキー・メディアワークス  2011-03-24


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