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GDC2012で公演した稲船敬二氏のセッション内容がレポートされていますのでご紹介。





【GDC 2012】comcept稲船敬二氏が日本ゲーム市場を“叱咤激励”
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20120308_517329.html
なんと申しますか、「勝つ」「勝つ」言い過ぎですね。「勝つために作ったエンタテインメント」が面白い訳なかろうに。そう言う気持ちは大切ですが、それがプレイヤーに伝わると作品としての機微が損なわれます。

とまぁ個人的に「熱い人間」「騒々しい人間」を敬遠してしまう性格という事もあり、稲船氏は苦手なタイプの人間だったりしますが、今回のGDCスピーチは決して間違ったことは言っていないと感じました。

私は過去のブログで「発言に説得力を与えるためには実績を残しなさい」と書きました。ゲームを創っていない人間がグダグダと書いても何も産み出しませんが、ゲーム開発者が業界を斬るならば「実績と発言内容が天秤に掛けられる」事になります。

しかし、カプコンを離れた今の稲船氏は「まだ何も産み出していない」状態です。稲船氏は大言に釣り合うオモリを何も持っていません。「ロックマン」?「デッドライジング?」それこそが過去の栄光や実績に過ぎません。それらにすがる事を「悪しきこと」とするならば、稲船氏は「クリエイター未満」の存在に過ぎません。要するに「自分のことを棚に上げて」いるのです。

また、「北米」から「全世界」に向けて発信されるGDCという舞台でのスピーチですから、グローバルな視点になるのは仕方ありませんし、あくまでも「開発者に向けた檄」である事も理解はしていますが、あまりに「国内デベロッパ」を十把一絡げとして扱いすぎだと感じました。

北米で「勝つ」事は素晴らしいことですが、それは同時に「現在の」日本市場を無視する事になります。「コールオブデューティ」は例外中の例外であり、日本市場を維持しつつ世界で戦うためには国内ゲームファンの意識改革が必要でしょう。是非、そのあたりの見解についても聞いてみたいものです。



しかし、「すごくのびのびと楽しく仕事をしています」と言っている割には、大好きなXbox360用のゲームを開発できないというのは皮肉なものですね。本国のMSも手助けしてあげれば良いのに・・・。