週販
2012年3月12日~3月18日の週販ランキング(メディアクリエイト調べ)をご紹介。





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1位の「ポケモン+ノブナガの野望」はポケモンブランドの強さ、若干意地悪く表現するならば「ポケモンと付いてたら飛びつく」ファンがこれだけ存在する事に驚かされました。次なるコラボが登場するのかどうかは不明ですが、6月には最新作もリリースされますし、何らかの企画が準備されているかも知れませんね。



しかし、今週は「魔法少女まどか☆マギカ ポータブル」の予想外の数字、敢えて書くならば「失敗」が衝撃的でした。まぁ、損はしていないと思いますけどね・・・。

キャラクタゲームで初週6万本は立派な数字という見方もありますが、当作品はゲーム1本と同価格帯のアニメBD/DVDが1巻平均で6.9万本も売れている「お化けタイトル」なのです。BD/DVDは全巻購入が前提となりますから、余程の好事家しか手を出さないですからねぇ。

それだけに、ゲームの販売本数はBD/DVDの1巻あたりよりも高くなることが珍しくありません。「魔法少女まどか☆マギカ ポータブル」は当時の作品人気を最大限に活かしたならば、25万~30万本は売れて然るべきタイトルなのです。

「失敗」の原因をつらつらと列記してみる。

・放送終了から約1年後の発売
・作品ファンの需要を喚起するプロモーションが不足していた
・ダンジョンRPGというジャンル選択

作品の出来不出来は累計ならともかく、初週への影響は皆無でしょう。

勿論、遅すぎた発売タイミングが一番の要因である事は明白ですが、私はそれを踏まえた上でのプロモーションが不足していたと考えています。昨年8月にゲーム化が発表された際には発売日が明らかにされていた訳ですから、当時の私は「これだけ遅れて発売する訳だから、あの手この手の施策で盛り上げてくるはず」とバンナムのプロモーション手法に期待していました。むしろゲーム内容より楽しみにしていたぐらいです。

しかし、結果として年内はほぼ放置、年明けもちょろちょろとPVを流したりする程度で、移ろいやすいオタクの心を引き戻すだけの施策は何もありませんでした。パブリッシャ側に「まどマギ」は特別な作品だから大丈夫!という甘えがあったのでしょうか?



次は「ダンジョンRPG」というジャンル選択です。確かに「ダンジョンRPG」はやり込み甲斐のあるゲームを制作しやすく、ハードパワーも必要としない優秀なゲームフォーマットです。更には止め絵も有効に使える為、キャラクタゲームとの相性も悪くありません。

しかし、先ほども書いたとおり、放送終了から1年後に発売されるゲームならば「やり込み甲斐」や「ゲームらしい」要素よりも、軽めで作品ファンなら誰でも気軽に楽しめるゲームの方が向いていたのでは?という考えもあります。以前の記事でも書いたとおり、ガイズのアドベンチャーあたりが好例ですよね。

開発陣が考えているよりも「熱心なファン」は少なかったという事でしょうか?そう考えると6万本という数字は確かに凄いのですが、「何もかもが上手くいった」感のある「ワンピース 海賊無双」と比較すると、「何もかもがちぐはぐ」だった結果という印象が強すぎます。

この業界に限らず、「勝因」がドヤ顔で語られることはあっても、「敗因」が語られることは滅多にありません。我々素人は勝手に予想することしか出来ないのです。

4Gamer.net ― まさかのコラボで話題を集めた「ポケモン+ノブナガの野望」は17万本。「シャイニング・ブレイド」「まどか☆マギカ」が続く「週間販売ランキング+」