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ロイターの興味深い記事が話題を呼んでいますのでご紹介。





焦点:任天堂が新型Wii公開へ、試される「ゲーム専用機」の復権 | Reuters

<ゲーム専用機「不要論」で低迷>

任天堂の株価下落の背景は、市場にくすぶる「ゲーム専用機不要論」がある。調査会社シード・プランニングが、スマホでゲームをするユーザー500人を対象に行ったアンケート調査によると、スマホ購入後に家庭用ゲーム機の「利用時間が減った」もしくは「利用しなくなった」と回答したのは全体の44%にのぼり「変化はない」と回答した36%を上回った。

すでに、カプコン(9697.T: 株価, ニュース, レポート)、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684.T: 株価, ニュース, レポート)、コナミ(9766.T: 株価, ニュース, レポート)などゲームソフトメーカーは、これまでゲーム専用機に提供してきた人気ソフトをスマホ向けに配信を始めた。また、交流サイト(SNS)の世界でソーシャルゲームも勢力を拡大しており、グリー(3632.T: 株価, ニュース, レポート)の会員数は3月末で2億3400万人に達した。

米IDCの調査によると、2011年の世界スマホの出荷台数は4億9140万台。このうち、首位のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)が9140万台、2位の米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)が9320万台。これに対して任天堂のハードは、11年度のニンテンドー3DSの出荷台数が1353万台、DSが510万台、Wiiが984万台で、同社のゲーム機すべてを合計してもスマホ強豪メーカーの実績には遠く及ばない。

スマホユーザーは、女性や高齢者などゲームに関心の薄い層でも手元のタッチパネルですぐにゲームユーザーになる。それは任天堂が「ゲーム人口拡大戦略」のもとでWiiやDSを通じて拡大してきた「ライトユーザー」層と重なりあう。岩田社長は、スマホやソーシャルゲームの普及と任天堂の低迷に「因果関係はない」と強調しているが、Wii Uの最終形を発表するE3で、ゲーム専用機の真価が問われる。

スマホやタブレットのような「コモディティ」デバイスが日本においても急速に普及した事で「ゲーム機不要論」は勢いを増してきました。

特に昨年あたりからは「ソーシャルゲーム」が躍進し話題を呼んだことが「不要論」に拍車を掛けたと思われます。まぁ、ソーシャルゲームに関しては昨今の「コンプガチャショック」を発端とする構造的な不信感が広がりつつありますし、少しでも健全な方向に向かう事を期待しています。
 
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しかし、上手くソーシャルゲームの勢いが一段落したとしても、「ゲーム機不要論」が下火になるとは思っていません。「ソーシャルゲーム」はギャンブル性が高く、本来であれば「コンピュータゲーム」とは別の枠組みで運営されるべき遊戯だと考えていますが、「コモディティデバイス」で展開される買取スタイルのゲームは従来の「家庭用ゲーム」と完全に競合します。

私は今回のソーシャルゲーム騒動によって、結果として「コモディティ」へのシフトが一層進んだと認識しています。ソーシャルゲームの馬鹿馬鹿しさに気づいて卒業したとしても、彼らはゲーム専用機に戻る訳ではなく、スマホやタブレットで買取スタイルのゲームをプレイするようになるでしょう。

今のところは老舗ソフトハウスも過去の資産を移植するパターンが殆どですが、スクウェア・エニックスのように積極的に新規IPを投入しているところもあります。品質的にも内容的にも家庭用ゲーム機を愛好してきたゲームファンを振り向かせるようなゲームは見当たりませんが、今後しっかりとバジェットを用意して作り込んだゲームが数多く登場すれば状況は変わってくるかも知れません。
 
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インタフェイスに関しても、タッチ操作から入った新しいゲームファンからすると専用機のハードキー自体を「不要」だと感じるのでしょう。我々が思っている以上に「ゲーム専用機」のアドバンテージは少ないと考えています。

勿論、これらの話は「携帯ゲーム機」を中心とした話です。据置ならば状況も変わってきますが、現時点で噂されている「Wii U」のスペックは現行HD機と大差は無く、売りとなるギミックはカジュアル層に向けたものであることが予想されます。そのカジュアル層の市場がスマホやタブレットに大幅に侵食されている現状では「Wii U」は足のおきどころが無くなります。
 
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本来はPCソフト屋、OS屋であるマイクロソフト、コモディティデバイスも手がけているSonyと比べ、「ゲーム専用機」市場に固執し続ける必要がある任天堂の立ち位置を微妙だと考えている人は多いでしょう。

一人のゲームファンとして、任天堂が「Wii U」で歴史の流れを変えることが出来るのか、少しでも押し戻すだけに留まるのか、抗えずに流されてしまうのか。興味深く見守りたい。