tokitowa2012年10月11日に発売された「時と永遠~トキトワ~」インタビューがGamerに掲載されていますのでご紹介。





――発売から1ヶ月近くが経ちますが、今の率直な感想をお聞かせください。

広野氏:まず発売できたことはよかったですし、このゲームがやりたかった部分はできたので、それはユーザーの方に伝わったと思っています。逆に、やってみていただいて賛否両論ありましたが、そこはユーザーのみなさまからのアドバイスとして今後の糧にしていきたいです。

アニメーションを自在に操ってRPGにするという試みは理解していただきましたし、そうとう大変だったということもわかってもらえたかなと思いますので、作り手としては意図が伝わってよかったです。

御影氏:自分もやっててすごく大変なプロジェクトではありましたが、いい側面と悪い側面をひとつずつ挙げて言うのであれば、開発自体がすごく勉強になったのと、いろいろな作り方の反省点が出た点だと思います。

逆に言うと、やり直したらやり直したで、いろいろ修正を行う点があるという認識を持っています。

広野氏:(イメージエポックとして)初のPS3タイトルでもありましたもんね。

御影氏:PS3というところはそんなに難しくはありませんでしたが、ポリゴンで作ったほうが簡単だったなと(笑)。

広野氏:正直、制作の途中で気づきましたね(笑)。


――本作の特徴でもある手描きのアニメーションでゲーム内のさまざまな動きを表現するという発想はどのあたりから生まれてきたのでしょうか?

御影氏:元々ドットとHDの差を考えた時に、ドットも言うなればパラパラアニメじゃないですか。それをPS3でHDの画質でパラパラアニメにすれば、理論上はテレビアニメと同じ動きをするということで、それを見てみたいという大人になりきれなかった子どもの発想から始まりました(笑)。

広野氏:その発想に乗っかって僕らが一緒にやらせてもらう流れになりまして、ドットをHD化するのではなく、しっかりとアニメーションにしたほうが面白いということでプロジェクトが進みました。

本当に期待度は高くもっていただいたのはありがたかったですし、お客さんの興味の推移というかたちではすごくいい走り出しができました。


――プロジェクトの立ち上げはいつ頃だったのでしょうか?
御影氏:3年ぐらい前からでしたね。最初は人を大量動員してやり始めたというよりは、やり方を含めた暗中模索でしたので、必要最低限のチーム構成で淡々と実験を行なって、最初の1年半はその繰り返しでした。

広野氏:最初はフィールドなどは2Dでしたね。その後は3Dダンジョンになり、現在の3Dフィールドになりました。

ゲーム開発未経験者の素朴な疑問ですが、開発初期の技術デモの時点で「やっぱアニメーションは現実的に無理やわ」と思わなかったのでしょうかね?現行ハードでHDアニメーションを実現することの技術的困難さ、掛かる手間に伴うコスト等を考えると「割に合わない」という事に気付くはずです。

家庭用ゲームの歴史は長く、現世代機も6年~7年と長寿を続けています。それまでに開発された山のようなタイトル群の中で「今まで実現されていない」要素にはそれなりの意味があります。Vita「グラビティデイズ」のインタビュー記事で「重力を操るゲームは誰もが最初は考える、でも初期段階で頓挫する」というコメントを読んだ記憶があります。ゲーム業界に限らないのでしょうが「誰もが思いつかなかった」事なんて滅多になく、結局は「実現に至らなかった」だけなのでしょう。

その「無茶」を押し通して製品化した事は評価されるのでしょうが、残念ながら「次に繋がる経験」になる可能性は極めて低いのです。

――先ほども少しお話にありましたが、キャラクター原案をVOFANさん、それから音楽を古代祐三さんにお願いした理由をお聞かせくただけますでしょうか。
広野氏:元々の企画のご提案を御影さんからいただいた時、その企画書に名だたるクリエイターの方々をしっかりと据えて、RPGとしての箔をつけ、ユーザーさんにも安心してもらえた上で新しい試みをするゲームにしましょうというご提案をいただいていまして、僕らとしてもそういう座組みでぜひ挑戦したいと思いました。

このあたりは当ブログでも何度か書いた「人気者を集めて云々」に繋がります。

しかし、音楽も絵柄も声もゲームを彩る大切な要素ですが所詮は「ガワ」に過ぎず、RPG作品でストーリーが粗末なら豪華なガワも全てが台無しなのです。その点、当作品より1週間前に発売されたイメージエポック「ソールトリガー」は野島一成氏という実績と知名度があるシナリオライターを起用していた事が評価や売上に繋がっていると考えています。

勿論、ゲームのシナリオが面白いかどうかは「個人の好み」です。私はゲームの感想を書く際、物語についは触れません。それはネタバレを避けるという意味もありますが、前述した通り個人の好みに左右される要素ですので「シナリオがつまらない」と決めつける気にはならないのです。「私には合わなかった」だけだと考えています。

しかしシナリオライターによって「自分が好きそうな物語」かどうかは事前に把握することは出来ます。本作品のシナリオを担当している加藤陽一氏が「ガンダムAGE」の脚本を手がけていたからと言って先入観を持つ気はかどうかは人それぞれ・・・。「スタッフを出す事による宣伝効果」に期待していたのなら、シナリオライターにも拘るべきでしたね。私だって筒井康隆氏がシナリオを手がけているならば、諸事情があったとしても「トキトワ」をプレイしていたでしょう。

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