任天堂「Wii U」、半年で世界46万台にとどまる - ITmedia ニュース

任天堂が10月30日発表した2013年4～9月期の連結決算は、営業損益が232億円の赤字（前年同期は291億円の赤字）だった。据え置き機「Wii U」の世界販売台数が46万台にとどまった上、欧米での値下げの影響で採算が厳しい状況が続いている。

このように10月30日の決算発表でWiiUがワールドワイドで46万台に留まるというニュースが話題を呼びましたが、決算資料から「その他」地域でのWiiU本体の出荷が「△1」だったという事実が発覚しています。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120131001030693.pdf


勿論、決算資料で「△」は「マイナス」を意味しますので、この資料通りならば北米や日本を除く「その他」地域では「マイナス1万台」が集計された事になります。

http://www.nintendo.co.jp/ir/library/historical_data/pdf/consolidated_sales1309.pdf


「△1」は「1万台未満」という意味では？という見方もありましたが、別資料では「-1」と表記されていますのでやはり「マイナス1万台」で間違い無いようです。

しかし、本体の出荷で「マイナス」ってあるのでしょうか？こちらが決算説明会で岩田社長が語った「WiiUの現状」です。

2013年10月31日（木） 第2四半期決算説明会　任天堂株式会社 社長 岩田聡

一方、Wii Uについては、4月の決算説明会で、「じっくりと普及に取り組む」と申し上げましたが、夏以降の有力タイトルの発売後も、まだ販売が大きく上向いてはいません。自社の有力ソフトの発売間隔が大きく空いてしまったことで、季節的な後押しのないタイミングでは、「ひとつのタイトルの発売だけで、簡単には状況が変えられない」という状況です。
幸い、年末商戦の時期は、家庭内の複数の方が、任天堂のコンソールゲーム機に興味を持っていただきやすいタイミングですので、この年末商戦の取り組みで、大きく状況を変えたいと考えています。

「その他」についての説明どころか、すげーアッサリ（笑）

この件について任天堂側の説明はありませんので憶測が飛び交っていますが、どちらにしても「前代未聞」である事には違いありません。

Wii Uが英国で更に値下げ！計100ポンドも安くなっているぞ！！
WiiUに不穏な噂が…任天堂は戦いの準備を進めているらしいぞ！！ 他
「Wii Uの値下げは効果が無い」と任天堂フランス幹部はかく語りき
【英国】Wii Uを試しに値下げ → 残念！期待ほど売れなかった・・・

当ブログで取り上げた「欧州におけるWiiU事情」記事だけでもずらずらと出てきます。

このように海外、特に欧州ではWiiUに対する風当たりが強く、ショップ側の反発も大きかったようです。春頃には赤字覚悟の値下げ販売をしてもさほど結果は出ず・・・といったニュースもありました。そのあたりを考えるとショップから任天堂に相当数が返品されたのでは？と考えるのが妥当なのでしょうか。

そして「WiiU」の年間販売計画は900万台のままだという事も話題を呼んでいます。

任天堂は232億円の営業赤字、「ＷｉｉＵ」欧米値下げ響く | Reuters

新型ゲーム機「ＷｉｉＵ」の１４年３月期の販売計画は９００万台で据え置いた。「ニンテンドー３ＤＳ」は同１８００万台、据置型ゲーム機「Ｗｉｉ」は同２００万台に据え置いた

このあたり、目標の900万台を達成出来る見込みがあるのかどうか？はともかく、「全く読めない年末商戦」を考慮して保留しているという感じなのでしょうか？確かに「3Dマリオ」といった有力タイトルが発売されますし、本来クリスマスシーズンは任天堂が強さを発揮する時期です。しかし海外ではPS4やXboxOneといった次世代機も発売されますし、購入層が異なるとは言え影響が皆無だとは思えません。

任天堂岩田社長、辞任に否定的考え示す - 経済ニュース : nikkansports.com

　任天堂は２７日、京都市内で株主総会を開いた。岩田聡社長は、２０１４年３月期連結決算で目標としていた１０００億円の営業利益が達成できない場合でも辞任に否定的な考えを示した。株主からの質問に対し「辞めると言った覚えはない」と語った。

↓
年末次第」と任天堂社長、ウィーＵ上期不振も今期収益予想 - Bloomberg

岩田社長は、営業利益1000億円の公約達成は年末商戦次第だとし、「全力を尽くす」と意気込みを語った。また「コミットメント」という言葉を使った理由について「必ず達成したいという意思を持っているとの意味で使った。ゲームビジネスは１本のソフトで流れが変わる」と強調した。
（中略）
エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、年末商戦のボリュームは大きく公約達成の「可能性は残る」としつつ、下半期に業績不振だった場合は「経営の責任問題になりかねない」と話した。

更に今年の年頭に話題になった1000億円の「コミットメント」も、今年6月頃には「辞任を意味するものでは無い」と岩田社長がコメントし、今回もそのあたりを強調しています。なお、最新のBloomberg記事は消えているようですが、エース安田氏のコメントに問題でもあったのでしょうかね・・・。

Wii U｜うごく社長が訊く『Wii Sports Club』｜Nintendo


決算発表前日に公開された「Wii Sports Club」を遊ぶ岩田社長がシュールで仕方ありません。既に開き直っているのか？それとも・・・

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しかし、海外メディアや掲示板等でも「WiiUが不振極まる」というニュースは悪い意味でも話題になっていません。取り上げているのは任天堂系メディアだけですね。タイミング的に次世代機版「バトルフィールド4」「CoDゴースト」の解像度問題とバッティングしているのですが、その点をさっ引いたとしても海外のコアゲームファンから「WiiU」や「任天堂」という存在がますます希薄になっている事が伺えます。