アルコールさん





「お酒は乳がんを引き起こす危険がある」という事実がなぜ見逃されてきたのか? - GIGAZINE

・アルコールに発がん性があるということは、過去の研究から揺るぎない事実として示されているが、「ワインは心臓疾患を予防する」といった、「適度な飲酒は健康によい」という誤解が生まれてしまったのか?

・研究者らは、アメリカの乳がんにおいてアルコールが関わっていると見られるケースの割合を全体の15%ほどだと見ており、これはBRCAという遺伝子の変異によって引き起こされるケースのおよそ3倍

・1988年にはカリフォルニア州が「がんの原因となる」としてお酒に警告ラベルの表示を求めだすと、アルコール業界の売上が落ちたことから、業界は大胆なキャンペーンを開始する

・キャンペーンの1つが、アルコールをサラダやジョギングのような「健康的なライフスタイル」として再ブランディング。キャンペーンを率先したのはワイン業界。ジャーナリストのモーリー・セイファー氏は「フランス人は赤身の肉やチーズ、クリームなどをふんだんに食べるが、アメリカ人よりも心疾患になる割合が少ない」ということをテレビ番組「60 Minutes」で述べ、このパラドックスを解く鍵ははワインにあると主張

・アルコールを健康商品として売り出すためには科学に裏付けされたPRが必要なので、1982年に「Alcoholic Beverage Medical Research Foundation(アルコール飲料医学研究財団)」が創設。

・長年の間、大量の飲酒を行うことは高血圧や脳卒中・心臓発作を起こすと科学者らは認識してきました。そこから「飲酒を行わない人は適度な飲酒を行う人よりも心疾患になるリスクが少ない」という仮説が立てられ、調査が行われたのですが、調査の結果示されたのは「お酒を飲まない人は大酒飲みと同じぐらいに心疾患が多い」ということでした。

しかし、この研究結果には疑わしい点が存在します。1970年代の終わりから疫学者のジェラルド・シェイパー氏は心臓の健康に関するさまざまな研究を行っています。シェイパー氏の調査によれば「飲酒しない人」の71%は、「かつて飲酒していたが、飲酒をやめた人」だったとのこと。中には飲酒と喫煙を両方行っていた人も存在したとのことで、シェイパー医師は「かつて飲酒をしていてやめた人は、飲酒を続けている大酒飲みよりも病気になりやすい」と研究を結論づけています。つまり、健康上の問題があがったが故に飲酒を止めた人を、「飲酒しない人」としてコントロールグループに入れていたために、結論が間違ったものになった可能性があるわけです。

・アルコールと乳がんの関連性がわかっていながら、アルコール業界は女性により飲酒をさせるためのマーケティングを開始しました。ストレスの多い女性にアルコールというストレス解消法を提示するほか、広告にピンクのリボンを表示させ「乳がんの女性に対するチャリティーに寄付を行う」という名目を掲げた製品も生み出されました。

これらのマーケティングは功を奏し、2000年代には「女性をアルコール消費のターゲットとするのは難しい」と考えられていたにも関わらず、2001年から2013年で女性による飲酒は16%も増加。特に変化が大きかったのは白人女性で、それに連動してアルコールに関連した白人女性の死亡率は1999年から2015年で2倍以上になっているといいます。

・アルコールの危険性が認識されるにつれ、アメリカ以外のイギリスやオーストラリアでは広告キャンペーンが実施されていく

・過去数十年において、アルコール業界は、危険のあるアルコール消費を減らそうとする公衆衛生の規制をなぎはらってきました。スーパーでは日曜日にアルコールを扱えなかったのが扱えるようになり、バーやレストランでアルコールを扱える時間の制限は取り払われ、結果として1997年に過去最低値を記録した1人当たりのアルコール消費量は、20年間でこれまで見られなかったレベルにまで上昇した

・アメリカ臨床腫瘍学会の調査によると、アメリカ国民の70%はアルコールを発がん性物質だとは考えていません。このような状況を変えるため、アメリカ臨床腫瘍学会は「アルコールにはがんを引き起こすリスクがある」と公表し、アルコール消費を減らしてがんを避けるための政策措置を求めました。

・ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン&トロピカル・メディスンの公衆衛生教授であるマーク・ペティクリュー氏は、「アルコール産業のウェブサイトや非営利団体は、アルコールとがんとの関係について積極的に大衆を誤解させている」とする研究結果を発表しています。アルコール産業は大酒飲みだけががんのリスクを増加させるという印象を人々に与え、また膨大なリスク要因のリストを用意することで読み手を混乱させます。女性のアルコール消費者は男性よりも健康に対しての意識が高いため、特に、乳がんについては誤解させる傾向が高いとのこと。

反応

酒は昔から百薬の長とかいろいろとあるけど、リスクの方もあるよねぇ…。物事は、良い面しかない…なんてないでしょうしね。

どうせそんなことだろうとは思ってたよ。ワインだろうがビールだろうが所詮アルコール飲料、体に良いわけない!

まぁ要はどんなもんでもリスクはあるっちゅう事で。リスクを気にして総てを断って過ごすのか、リスクを気にせずに過ごすのか。それぞれ個人の判断っちゅう事ですわなぁ。ヘビースモーカーで大酒飲みでも長生きする人もいるし。心的ストレスも結構左右するとは思う。

ようは金が動くからなんだけど、アルコールが発がん性物質なのは知らんかった。でもメチルアルコールとか発がん性だったような気がする。検査大事。

「酒は百薬の長」とかは酒飲みや業界が産みだした言葉だと思っている。