隻狼 SEKIRO: Shadows Die Twice





フロム新作アクション『隻狼』宮崎D「天誅シリーズとして作る選択肢もあった」「オンライン要素をなくした理由」

・企画が動き出したのは2015年末、『ブラッドボーン』のDLC開発が終わった頃。製作中だった『ダークソウル3』の後は新しい切り口のタイトルをいくつか手掛けたいと思っていた

・「忍者」というキーワードからゲームデザインが始まり、初期段階では『天誅』シリーズにもっとも大きな刺激を受けた

・最初は『天誅』シリーズとして作る選択肢も考えたが、もともとも『天誅』シリーズは様々なデベロッパーさんが制作しており、製作者さんの個性が色濃く出ているシリーズ。真似事になりそうに思えたためその線はすぐに諦めた

・ゲーム開発の主体と、日本国内およびアジア地域の販売をフロム・ソフトウェア、それ以外の全地域の販売をアクティビジョンさんが担当する。アクティビジョンさんにはゲーム制作全般に渡って、様々なアドバイスをいただいている

・誤解のないように言っておくと、ゲーム本編制作の主体と諸々の最終的な判断は、つねに我々にある

・サブタイトルの『SHADOWS DIE TWICE』はティザートレーラーのキャッチコピーとして私が考えたもの。なぜかパブリッシャーの方々に気に入ってもらえたのでサブタイトルになった

・『SHADOWS』は忍者の有り様の暗喩で、『DIE TWICE』はゲームシステムおよび世界観の特徴でもある"回生"と示す言葉。また、『DIE TWICE』には今回もたくさん死にますよ、というユーザーさんへの物騒なメッセージも込められている

・時代設定は戦国末期のイメージ。舞台設定はこれまでの作品と同様に、具体的には定めていないが、標高が高くて寒い国のイメージがある。戦国の末期としたのは滅びのニュアンスがあるため

・リアルであることにはこだわっていない。「ダークソウル」と同じように我々なりに再解釈して構築したものになる

・本作は固定主人公だが、濃厚なストーリー主導型のゲームではない。物語がキャラクターを巡るものであることは事実だが、それ以外の点で物語に対するスタンスは我々の過去作から大きく変わっていない

・本作のアクションには大きく3つの側面がある。まず第1は立体マップを縦横に移動する鉤縄

・第2に剣戟。刀と刀の攻防と、必殺の一撃である"忍殺"で構成されている

・第3は「賢く殺す」。本作では戦い方の幅、困難に挑む工夫の余地と意味を重視し、幅広いアプローチを用意している。鉤縄による立体的な位置取りやダイナミックな移動、いかに体幹を削って一瞬の隙を作り出すかといった忍者らしい剣戟も、戦い方の幅、困難に挑む工夫の余地と意味に貢献するもの

・「賢く殺す」は本作の重要なテーマ。高い難度に挑み、それを克服する達成感の喜びを体験してもらう

・本作では敵に出会うとき、いきなり戦いに巻き込まれるばかりではない。敵を観察し挑み方を考えるようレベルデザインされている。戦闘状態ではない敵の会話を"盗み聞き"することで有効なやりかたを探っていくこともできる

・義手忍具は剣戟をサポートする要素。手裏剣や爆竹、仕込み斧など様々なバリエーションを用意している。いくつかの義手忍具を選んで選択し、その場その場で選択しながら使っていくことになると思う

・本作はアクション・アドベンチャーなので、RPGとは違った文法の主人公の成長要素がある

・マップ構造は初代『ダークソウル』に近いものになる。作り込まれた立体マップが一部の例外を覗いてシームレスにつながっている

・オンライン要素をなくした理由は、シングルプレイに特化することで本作独自のおもしろさ、プレイ体験を追求したいと思ったから

・"回生"は何らかのリソースを消費し、死んだその場で任意に生き返ることができるシステム。「死んだと思って油断した敵を、回生し背後から忍殺」といった戦術もある

・"回生"できる回数は、いまのところワンプレイ1回は保障して、それ以上はリソース次第といったところ。死の緊張感がなくならないように、プレイテンポを適切に保つように制限やデスペナルティなどを調整している

・むしろ"回生"があることで尖ったデスペナルティを採用できるかもしれない

・難易度は、いままでよりも難しく挑むこともできるし、その難しさを、アクションの上手さなどによらず、工夫によって乗り越えることができるところを狙っている

・少なくとも、ただ難しくするつもりはないし、ただ簡単にすることも考えていない




オンライン要素無しは海外での評価に左右しそうな予感。「ダークソウル」はバンナムとタッグを組んでいたけど、本作ではアクティビジョンなのね。

ニンテンドーダイレクトで発表されたロボゲーでフロムからAC新作が発売される可能性は限りなく低くなりましたので、フロムとしては「隻狼」をシリーズ化するのか、それとも・・・。