ウナギ





ウナギ学者が5つの誤解を正す「完全養殖技術が確立されても、絶滅危機は変わらない」(2018年7月20日) - エキサイトニュース(1/6)

ニホンウナギの生態研究を行っている中央大学法学部准教授の海部健三氏が、ウナギにまつわる世の誤解を正す。

■Q)完全養殖技術が実用化したら、ウナギの絶滅は遠のく?
 2010年、水産総合研究センター増養殖研究所(現在の水産研究・教育機構増養殖研究所)は、世界で初めてウナギの完全養殖に成功しました。いま、商業化に向けた研究が進んでいますが、実用化されればシラスウナギが激減している状況は大きく改善されるのではないでしょうか。

■A)問題の根本的な解決にはなりません。
 研究の進展の速度からすれば、今後10~20年の間に流通が始まってもおかしくないとは思います。ただ、完全養殖ウナギの流通が始まったらニホンウナギの減少が止まるかといえば、止まらないでしょう。

 わかりやすい例がマグロの養殖です。クロマグロの人工種苗(人工的に生産された稚魚)の生産に成功してから時間が経ちましたし、商品が市場に出回っていますが、そのせいでクロマグロの漁獲量が減少し、資源が回復したというニュースは聞きません。人工種苗は天然種苗よりも生残率、成長率で劣るために、コストパフォーマンスの面で人工種苗は天然種苗に勝てないのです。

(中略)

 人工種苗は、天然種苗の漁獲量を厳しく制限した時の「補てん」として大きく役立つでしょう。ただし、人工種苗が成功したらすべて解決するというような、単純な話ではない。それは、あまりにも社会経済の動きを無視したバラ色の想像ではないかと思います。

■Q)高いウナギを食べれば、密漁や密輸されたウナギは避けられる?
 高級なウナギ専門店や小売店は、ウナギの仕入れ経路が明確なので、密漁や密輸された「違法ウナギ」は消費者の意思で避けることが可能なのではないでしょうか。

■A)ウナギの値段と合法性には何の関連もありません。
国内の密漁や無報告漁獲と合わせると、2015年漁期に国内の養殖池に入れられたシラスウナギ18.3トンのうち、約7割にあたる12.6トンが、密輸、密漁、無報告漁獲など違法行為を経ていると考えられます。2017年漁期でも6割以上のシラスウナギが、何らかの違法行為に関わって流通しています。

 これら違法行為を経たウナギと、そうでないウナギは養殖場で混じり合い、出荷される段階では業者でも判別できません。このため、老舗の蒲焼き店でもチェーンの牛丼店でも、あるいは高級デパートでも近所のコンビニでも、国産の養殖ウナギであれば、同じように高い確率で違法行為を経ているウナギに出会うことになります。安いから密漁された可能性が高いとか、高いお店だから違法行為の関わっているウナギが少ない、という事実はありません。

反応

ウナギの現状がよくわかる。もし食文化としてのウナギを残したいなら、ウナギはカジュアルな食べ物ではなく、うな重並で数万円(吸い物別)を心して保存する気概が必要じゃないか。

平賀源内が知人の鰻屋の為に考えた施策と言われている土用の丑を禁止にしたら良い 売れ残った絶滅危惧種を大量に捨てる事も減るんじゃないかな

密漁はどうせ中国の仕業やろ……

やはりスーパーやコンビニやファストフードでのカジュアルな提供は廃止すべきだと思う。金持ってる年寄りが数万円で食べるような時代になればいい。