ラーメン









どんなラーメン屋が入っても潰れてしまう立地というのは確実にある。 昔住んでいたマンションの通り挟んだ向かいの店は、8年間で3回店が潰れた。 大きい通りだが、県境の大きい橋の麓で、駐車場もなかった為だと考えられる。

どの店も1年半は持っていたが、逆に言うと真綿で首を絞められるように経営難に陥ったのだろうと考えられる。 ラーメン屋って、厨房に独自の構造が求められるので、元々ラーメン屋だった場所の方が、厨房をいじらなくていい分、初期投資が少なくて済む。 おそらく、みんなそれに釣られたのだろう。

実際、うちの向かいには最後までチェーン店は入らなかった。 どういう立地が良いかを判っているチェーン店の担当は、「ここは無理」と冷静に判断していたんだろう。

2の客層は本当に大事。ビジネス街で背油系は嫌われるし、住宅街で豚骨臭を撒き散らす純正豚骨は近隣住民からクレームが来る。 近年、異常に横浜家系が伸びているのは、店から臭いも出なければ背油も入れない上に濃くて若者に受けがいい「立地を選ばない万能性」がある為だと思う。

空手の道場の立地もそうだが、ラーメン屋は必ずしも駅前がマストという訳ではない。 近くに学校等がある場所はラーメン屋的には一等地。 大盛りにして学生の胃袋が掴めれば、簡単には潰れない。 意識高い系のお上品なラーメンでなければの話だが…

せっかくだからいろいろ書くか。「タクシーの運ちゃんが旨いラーメン屋を知っている」というのは既に失われた話。

バブル時代に景気の良かったタクシーの運ちゃんは、車を停められる美味しい店を確かに知っていた。でも不景気になって以降は手弁当が多くなったため、最近の運ちゃんはあまり知らない。

本音を言うと、ラーメン屋(特に麺屋)はご飯をメニューに入れたくない。 ご飯は売れ筋が日によってまったく異なる為、どれくらい作って良いかが判らない為である。でも多くの店でご飯をメニューに入れるのは何故か?

それは、「スープを残して欲しくない」からである。 客が残したスープは流しに捨てられず、清掃車に有料で持って行ってもらう産業廃棄物(名称が正しいかは知らん)。 だから、少しでもスープを減らしてもらいたくてご飯を作る。『美味しい食べ方』と称して「ラーメンおじや」を紙で勧めている店は多い

中華料理屋ではなく、俗に『麺屋』と呼ばれるラーメン専門店は、炒飯ではなくチャーシュー丼を置く店が多い。 これは作る手間を省くため。「ラーメン×4と炒飯×1」はあり得ないほど手間がかかる。「炒める」という過程は店を回転に多大な影響を及ぼすから、少人数の麺屋は炒飯をやりたがらない。

その点、チャーシュー丼は基本的にラーメンの具を簡単に加工して御飯に盛るだけで済む。 かつ、チャーシューはトッピングの中でも高価というイメージが浸透しているから、ちょっとの量で350円取っても文句を言われる事はない。 まさに麺屋のマストメニューなのだ。

そういえば、最近はプラ箸を出す店が多い。 まさか「エコを考えている」なんて呑気なことを考えてる人はいまいな? あれも割り箸をゴミとして出す際に、ゴミ袋を突き破り易いからという理由。 プラ箸のダメな点は麺によってツルツル滑る事があるから、裏メニューとして割り箸を置く店が実は多い。




反応
勉強になる。スープ持ち帰れる容器とかあったらいいね!

割り箸じゃなくても木製の箸のほうが滑りにくくていいのにプラ箸が好まれるのは食洗機に使いやすいからだろうねえ

お客が残したスープは流しに捨てられないというのは知らなかった

ラーメン屋はなぜご飯をメニューに載せるか?なぜ炒飯でなくチャーシュー丼をメニューに入れたがるのか?の理由が面白かった。
利益を上げるための涙ぐましい努力。

このまとめ面白い。家の近所にまあ平凡な味の豚骨ラーメンの店が流行ってて、逆に材料こだわってて味的にも流行押さえてたはずのラーメン店が潰れた理由もわかる気がする。

チャーシュー丼が多い(チャーハンがない)理由はなんとなくわかっていたけど、面白い。