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PS5 異例続きの発表方法なぜ(河村鳴紘) - 個人 - Yahoo!ニュース

普通は、新型ゲーム機のような広く知らせたい大きな発表は、多くのメディアを呼ぶための会見をしかるべき場所で開きます。最低でも、自社から正式発表、リリースもするのが普通です。そう考えるとPS5の発表方法は、明らかに従来と異なります。そもそも新型ゲームを初めて明かす段階で公式リリースが存在せず、その発売元が特定メディアの取材に答えて、独占記事が新型ゲーム機のリリースの役割を果たす……というのは、私の記憶にはありません。

(中略)

 ゲームファンが盛り上がる一方で、一連の独占記事掲載は、他のメディアからすると笑えません。SIEは語るべき特定メディアを選んでいるのですから、選ばれなかったメディア(特にゲーム系)は相当不満でしょう。ただ今回のSIEのプロモーション戦略を見ていろいろ思い当たることがありますが、その中で強く思った三つについて挙げます。

 一つ目は、発表会の費用対効果を考えての戦略です。通常の大手企業であれば会見を開いて商品をアピールするため、芸能人を起用するなど相応の費用を投じても記事にしようとします。ところが新型ゲーム機の情報であれば、発表会に頼らずとも、ネットに小出しに情報を出すだけでかなりの注目を集められます。

 二つ目は、PS5の主戦場は、PS4と同じく欧米がメインであるため、英語での発信が重視されることです。PS2は日本だけで2000万台以上を売りました。ところが携帯ゲーム機と無料のスマホゲームの影響もあり、PS4の販売数は現状半減しています。そもそもPS4では日本の発売も後回しにされましたから、日本のゲーム市場の優先順位は低くなっているわけです。

 三つ目は、日本の話になりますが、各ゲーム会社の関係者は、ゲーム系メディアの報道方法に少なからず不満を持っていることです。一部のメディアは、メーカーのプレスリリースの大部分をそのままコピー&ペーストして記事扱いにして配信しています。そして関係者も表向きは理解を示しつつ、本音では決して歓迎していません。そして現在のネットニュースは速報が最重視されています。その究極が来たプレスリリースをそのままコピーして流す、もしくは少しだけ手を入れるだけで出すという考えですね。

 こうした背景を鑑み、PS5の記事のインパクトをより高めるため、従来とは違う手を考えて動いたのでしょう。特定のメディアに取材を持ちかけること自体は珍しい話ではなく、昔からあるのです。そして選ぶ以上は、普段からしっかり取材をして、記事の精度で信頼できる媒体(記者)を選ぶのは言うまでもありません。ただ公式リリースを出さない決断は、かなり思い切ったことではあります。


まぁSIEにおける日本の重要度が下がっているのは今さらだし、特定メディアに独占スクープ云々もどうでもいいけど、大規模なカンファレンスや発表会前に正式情報を小出しにしていくってのは面白い。

11月にはマイクロソフトもScarlettの情報を一気に出してくると思うけど、よほど目を引く情報を出さないと「ソニーの後追い」という印象になってしまう。この手のメディア戦略はMSの方が巧みという認識だったんだけどな。

噂通り2020年2月にPlayStation Meetingが開催されるとして、ハード関係の情報はデザインや価格ぐらいで、ロンチタイトルや開発中ソフトウェアの紹介が中心になりそう。