ようやく「龍が如く 見参!」クリアしました。放置時間も結構あるので詳細な時間は不明ですが20時間前後ぐらいでしょうか。平日はブログ更新を優先したために休日のみのプレイになりましたが、物語のテンションが高くメリハリがはっきりしていたので得意?のフェードアウト現象も起こらずにクリアすることが出来ました。

えー、感想ですか。
「傑作です、日本人なら全員プレイしろ」では駄目ですか?(笑)

まぁ一応まじめにタイトル通りネタバレ無しの総括を書きたいと思います。長いよ~。

【ビジュアル】
冷静に評価して「最高レベル」ではありません。海外の最新タイトルに比べると「まぁそこそこかな」と感じたのも事実です。しかし過去の感想でも何度か書いているとおり、キャラクタの造形は良くできていますし、表情や演技には力を入れて制作されています。特に目に入ったキャッチは人によっては煩く感じる場合もあるでしょうが、「龍が如く 見参!」の主要キャラクタは全員強い意志の持ち主として演出されていますので違和感は感じませんでした。
人物に対して背景やオブジェクトは全般的に力が入っていないのが残念ではありますが、開発期間等を考えると上出来だと思います。

【戦闘】
イベントや育成要素により豊富なアクションが用意されていますし、よく考えて作られた戦闘システムだとは思うのですが「1対多」「真剣戦闘」「ダメージ制アクション」の要素はお互いに相性が良くありません。むしろアクション要素のないRPGなら最初から切り離してプレイすることも出来るのですが、「龍が如く」である為には仕方なかった部分でしょう。
誰にでもクリアできる難易度設定は親切ですが、相当数の敵に囲まれてザクザクと切り刻まれても都度回復薬で全快しつつ戦う様は「最強の剣士」宮本武蔵のイメージとはどうしてもかけ離れてしまいがちなのも事実なのです。

その辺りの違和感を感じないのならば「結構爽快感がある戦闘」とも評価できます。

【シナリオ】
一通りクリアして「不満点あるかな~」と風呂に入りながら少し考えたのですが、結局は「不満は無い」との結論に落ち着きました。物語はプレイヤーの趣向によって評価が大きく左右されますし、「見参!」のような長めのイベントシーン自体を嫌う人も存在しますので「全てのプレイヤーが大満足」するような物語は今後も存在しないでしょう。

それでも「張られた伏線はきちんと回収する」「メリハリとテンポの良さでプレイヤーを飽きさせない」「登場人物の性格描写にブレが無い」等々のポイントはきっちりと押さえている事は評価できるでしょう。特に物語を破綻させずに「テンションの高さ」を最後の最後まで維持し続けた事は賞賛したいです。桐生一馬之助(宮本武蔵)のヒーローっぷりや男らしさに惚れない人はいないと敢えて断言してしまいましょう。

【キャラクタ】
「龍が如く 見参!」のキャラクタには二つの側面があります。

現代版「龍が如く/龍が如く2」と直接の関連性は無いものの、主人公桐生や真島は明らかに旧作のエッセンスを色濃く残したキャラクタとして登場します。以前の記事にも書きましたが、現代劇のキャラクタとしては一般概念からはみ出しがちな彼らも、時代劇の舞台の上では実に魅力的なヒーローとして躍動しています。この辺りは旧作ファンならより楽しめる部分でしょう。

もう一つの要素として「寺島進」「竹中直人」「松田翔太」「松方弘樹」「加藤雅也」「塚本高史」等の有名俳優が声だけではなく本人をモデリングしたキャラクタとして登場する事です。オールドゲーマーの観点ではマイナス要素となりやすい点ですが、珍しく「見参!」においては実在俳優が世界観に綺麗にとけ込んでいます。

俳優がゲームキャラクタの声を当てる事は多いのですが、ここまで自分によく似たCGキャラをゲームの中に再現した和製ゲームに関わるのは彼らにとっても初めての経験でしょう。演技派俳優でもゲームやアニメで別キャラに声を当てると「大根役者」に豹変することは多々ありますが、「見参!」に関してはどのキャラクタも白熱の演技で楽しませてくれます。自分自身の演技に声を当てる訳ですから当然と言えば当然ですよね。


【総括】
私がこのゲームで一番すごいと思ったのは「素晴らしいストーリー」や「迫真の演技」では無く「品質管理」と「バランス感覚」です。

「品質管理」は大まかな表現ですが、納期や作品の質やボリュームの着地点をしっかりと見極めて開発コントロールされた事が作品から伝わってきます。この辺りの予測を誤った結果が「発売延期」「バグ多発」「内容の薄さ」「後半の手抜き感」になる訳で、「龍が如く」シリーズのような「幾らでも作り込める」タイプのゲームを程よく切り上げる事は結構難しいと思います。

また様々なサブイベントや高い自由度が「龍が如く」シリーズの魅力ですが、同時に「重厚なシナリオ」も進行しています。自由度が高いゲームは物語性が希薄だったり、逆にシナリオ重視のゲームではサブクエスト要素に意味を感じないものも見受けられます。「見参!」はシナリオとサブイベントの融合具合が実に絶妙で「ちょっと寄っていこうか」と思わせる魅力があり、この辺りの「バランス感覚」は手慣れたプロの仕事だなぁと改めて感じさせられますね。

残念ながらサブイベントを満喫していると4/4発売の「スターオーシャン セカンドストーリー」に突入してしまうという事情もありましたので後半は結構駆け足でクリアしてしまいました。それでも十分なボリュームは感じられますし、2週目以降のプレイに積極的になれるゲームはそれ程存在しません。「龍が如く」シリーズが好きだった人は勿論、少しでも作品世界に興味を持った方は是非ともプレイして欲しい作品です。

早くも次回作が気になりますが、現代劇に戻るのでしょうか?もしくは更にぶっ飛んでファンタジー世界に「龍が如く」の登場人物が降臨したとしても・・・、私はついて行きますよ。

最後に「松方弘樹は似すぎ、そして真島ラブ(笑)」

龍が如く 見参! 公式サイト

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