ふー、GWの4連休をフルに活用してなんとかクリアしました。少し前にも書きましたが「GW中にクリアしきらないと頓挫の危機」だっただけにクリアできてホッとしました。引越しまでの期間は休日でも荷物整理等の作業がありますのでゲームに没頭できる状況ではありませんしね。

さて、タイトルどおりネタバレ無しでクリア後の感想を書きたいと思います。
なお、私は「シュミレーションゲーム初心者」ですのでシュミレーションゲーム部分の考察に甘い部分があると思いますので、その点はご理解ください。

今回も長いよ。


・「CANVAS」による印象的なグラフィック
「戦場のヴァルキュリア」の魅力の一つは「CANVAS」による水彩画風のグラフィックです。私は発売前から多数のトレイラーを閲覧してしまったおかげで見慣れてしまい、映像に対する感激は少なかったのですが、それでも改めてゲーム映像を見るとやはり凄い。

イベントムービーは文句なしの品質で、ゲームプレイ映像でも遜色の無いグラフィックを実現していますが、肝心のポリゴンキャラの動き自体はマネキン風で若干の不自然さが気になる場合もあります。特に敵兵に倒されたときのポーズが「MotorStorm」の爆破時キャラモーションのように変な方向に足が曲がっていたり、時には足が付け根からクルリと1回転していた事もあります。

この作品では映像でシュールさを表現しているとは思えないので、次回作の時にはポリゴンモーションの向上にも力を入れて欲しいですね。


・魅力的なキャラクタ達
本庄雷太氏原案の絵は嫌味が無く受け入れられやすい絵柄だと思います。しかし、ウェルキン、アリシアのような美男美女は爽やかに描きあげているものの、他のキャラは造形的にどうなのよ?とも感じました。

特にラルゴ、嫌いなキャラでは無いのですがデザイナーの苦労が伝わってくるような顔立ちになっています。世界観の統一にはデザイナーを固定した方が良いのでしょうが、渋キャラやオッサン系は別デザイナーに任せた方が良かったのでは?と感じました。個人的にはオールドスネークやクレイトスのようなステキキャラが「CANVAS」で表現されたらどのようになるのか?興味がありますね。

また、声優陣も実に豪華です。味方陣営の声優陣はそれ程詳しくない人が多いですが、敵陣営のキャラクタにはルルーシュ、ペールゼン、ガトー辺りが登場し、物語を盛り上げます。(主役クラスは全員有名声優らしいです、私が知らないだけだと思う)

しかしラルゴって私より年下だったのか・・・。



・「名無し」キャラ50人も負けていません
と言っても全員別々の名前だけではなく、顔グラや声も別に用意されていますし、(声は一人何役かでフォローしているでしょうけど)行動時の台詞も個性的で使っていて楽しくなります。私が個人的に気に入ったキャラ台詞は「レミィ」「オードリィ」「ハンネス」です。

どんな台詞なのかは、実際にプレイしてみてください。気に入っている人多いんじゃないかなー。


・ポテンシャルによる秀逸なキャラ設定
このゲームは兵科ごとのレベルが設定されているだけで、個別の能力差は殆どありません。しかし「ポテンシャル」という要素によりゲーム部分及びキャラ個性を設定させています。

「ポテンシャル」は大まかに「能力アップ系」と「能力ダウン系」に分類され、主要キャラには専用ポテンシャルが幾つか用意されています。そして名無しキャラ達にも様々なポテンシャルが配分され、それがキャラクタの個性を絶妙に味付けしています。

少し風変わりなポテンシャルとしては「男嫌い」「腰痛持ち」「花粉症」「穴好き」「都会っ子」等々の言葉だけでは「?」と思うようなものも多数設定されており、キャラ設定を見ているだけでゲームの世界観が広がってきます。勿論これらの要素はゲーム部分にも影響されますので、有効に活用すれば攻略への近道にもなります。

また、キャラ同士の相性設定もあります。終盤は特定キャラの連携攻撃で助けられました、マイナス効果もあるので隊員配置にも気を使いたくなります。

Val01
これはどうなんだろうか

Val02
こいつは更にどうなんだろうか
Val03
この子は使っていて楽しいです。


・メッセージ性の強い物語
ネタバレ無しですので詳しくは書きませんが、「戦場のヴァルキュリア」の物語は「結構重い」です。明るい水彩画風のグラフィックで覆い隠されていますが、メッセージ性が強くてプレイヤーをグイと引っ張っていきます。

また、主人公たちの軍隊は「義勇軍」ですので、当然「正規軍」が別に存在します。本来であれば民兵部隊が戦場で活躍する場面は少ない訳で、同様のSRPGでは物語及び設定で必然性を捻出することになります。「戦場のヴァルキュリア」においては最終局面に至るまでの展開は物語の世界観や設定を活かしたものになっていますし、違和感無く演出されていると感じました。



・物語の中核「ヴァルキュリア」について
これもネタバレ無しで書くのは厳しいものがありますが、ゲーム中の唯一?のファンタジー要素である「ヴァルキュリア人」の設定がシナリオ及びゲームの中核としてどのように扱われるのか?発売前から一番気になっていた要素です。

結果として、「うん、上手に組み込んだなぁ」と言うのがクリア後の率直な感想です。ただ、最後までヴァルキュリア人に関する説明は不十分なままでしたので、シナリオ的に若干納得がいかない部分は想像で補うしか無いのが現状です。この辺りは資料集等で明らかになるのかも、と考えたら関連書籍も欲しくなってきました(これが何とか商法と言うやつか・・・笑)


・これは「シュミレーションRPG」ではない
このゲームの戦闘システムは「BLiTZ」と呼ばれ、一応ジャンルとしては「アクティブ・シュミレーションRPG」とされていますが、RPG要素は相当に薄いですねぇ。キャラ別にレベルアップさせることも出来ないし、鍛えまくって戦況を楽にすることも出来ない。ゲーマー暦の大半が「ダラゲーマー暦」になってしまった私には結構厳しいものがありました、更に私はシュミレーションゲーム初心者ですから・・・。

まぁこうやって今まで敬遠していたジャンルをプレイするのは悪くない経験です、これもPS3のRPG不足の影響か・・・。


・このゲームは「難しい?」
「思ったよりも難しい」「歯ごたえがある」との感想を幾つかのレビューで読みましたが、私は難しいと言うよりも「手間と時間が掛かる」だけだと考えています。

誰もが一番最初にプレイするときは手探り状態です。現在発売されている攻略本も序盤までしか攻略情報は掲載されていませんし、ネット等の攻略記事を読んでも文字情報だけでは理解は難しいものです。実際にプレイしてマップの感覚を掴みながら何度もセーブ&リトライで根気良くプレイするのが一番近道なんですが、これがとにかく時間が掛かります。迎撃からの最適な逃げ方もマップが把握しづらいので何度もやり直さないと即死する場面も多々あるのです。

GWの連休中に一気にプレイしたから良かったですが、平日ならば1日で1ミッションをクリアすることは難しいでしょう。途中でセーブは自由に出来ますが、せっかくリトライで掴んできた感覚も次の日に持ち越される訳で、残念ながら私自身のセーブ機能はDQ3のバッテリバックアップ並みに貧弱で小容量だったりするのです(笑)


・「キャラ」と「戦争」の狭間で
このゲームの民兵キャラは女性が実に多いのが特徴です。何を隠そう私の部隊も大半が女性で、時にはハーレム小隊になる事も少なくありません。とまぁ話の本筋はそちらではなく、「戦場のヴァルキュリア」は独特の世界観とグラフィックで牧歌的な雰囲気を作り出していますが、本質は戦争ゲームです。美人女性兵が「オシャレに決めるよ!」と可愛く叫びながら敵兵の至近距離に近寄りライフルで頭部を狙い撃ちするゲームです。

しかし、この違和感に戸惑うのも最初のうちだけで、プレイしていくうちに「シュールさ」を楽しめるようになります。この違和感を乗り越えるだけの「キャラの魅力」があると私は感じましたが、こればかりは人によってマチマチでしょうね。


・良質なキャラゲーだが・・・
メインキャラだけではなく一般兵も個性的な「戦場のヴァルキュリア」。独特で高品位なグラフィックが魅力的なキャラデザインを引き立てますし、豪華な声優陣や世界観に合った音楽がゲームを盛り上げます。さすがは「サクラ大戦」を一大フランチャイズに成長させたチームの作品だけはあると感じさせられる「お手本のような優良キャラゲー」です。

しかし「優良キャラゲー」の反面、「クリアには相応の手間と時間が必要」である事も書いておきます。このゲームの戦闘が面白くなってくるのは2回目以降で、最初の戦闘はとにかくストレスが溜まりますし、最後まで思うように進行する事は出来ませんでした。

戦闘中は好きな場面でセーブが出来ますので、敵の迎撃やポテンシャル等の運要素が左右される局面をリトライする事で凌ぎ切った場面も多数あります。セーブが出来なければ私はGW期間中であっても途中で投げ出していたかも知れません。一般的な「シュミレーションRPG」ならばアホほど時間を掛けてユニットのレベルを上げれば乗り切れる訳ですが、このゲームではその方法論は通用しないのです。

せっかくの「優良キャラゲー」の魅力が、がんばり過ぎたゲーム部分で少しスポイルされているような気もしました。

※私の「ダラゲー」ポイントとして、レベル上げは他の作業が並行出来る事が重要!


・ダウンロードコンテンツにも期待したい
兵科ごとにレベルが統一されていますので、キャラクタの個性はポテンシャルによって味付けされます。この特長を活かせばダウンロードコンテンツで色々な追加キャラを登場させる事も可能でしょう。セガキャラとして桐生やソニックやアキラ、元祖セガSRPGキャラとしてヨーグルトなんかも「CANVAS」で表現すれば面白いでしょう。個人的にはクレイト(ry


・社会人泣かせだがPS3ユーザならプレイして損はない
「絵柄が嫌い」尚且つ「シュミレーションゲームが嫌い」な人以外は是非ともプレイして欲しい良作です。

開発者インタビュー記事を読むと制作期間はおおよそ3年間で、実際にPS3用として開発された期間は1年間ぐらいのようです。「龍が如く 見参!」の時も感じましたがセガ様は開発が難しいと言われているPS3でも「ハードのオイシイ部分」を使うのが実に上手だなと思います。

「CANVAS」に関しても現在は720pで開発されていますが、ハードの熟成が進めば1080pによる表現も十分に可能でしょう。PS3用として更に進化した「CANVAS2」や改善された「BLiTZ」にも期待したいところですし、別段「戦場のヴァルキュリア 2」でなくても私は構いません。むしろ違う絵柄を「CANVAS」がどのように表現するのかは興味ありますね。個人的にはクレ(ry

と言う事でPS3ユーザは勿論、グラフィックを見て気に入った人はPS3ごと購入してしまいましょう。そして君も「レミィ」と「オードリィ」のファンになるのだ(笑)



公式「戦場のヴァルキュリア」

PS3「戦場のヴァルキュリア」Tips

特別インタビュー PS3「戦場のヴァルキュリア」

最後にキャプチャした映像を掲載しておきます。印象的なシーンはたいていネタバレだったりするので、誰もが最初は驚くポテンシャル発動映像を・・・。
Yasai0
Yasai1
Yasai2

なんなんだ・・・これは(笑)

戦場のヴァルキュリア(通常版)
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starsまた明日 君に会うために
starsいやあ、疲れます。
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