上田文人氏の最新作「人喰いの大鷲トリコ」について書きます。
まずはTGS2010で公開された「人喰いの大鷲トリコ」「ICO」「ワンダと巨像」のPVをどうぞ。
上田文人作品に連なる世界観や空気感を表現しながらも、単なるイメージトレイラーに留まらず「どのようなゲームなのか」を観る側に感じさせています。更にはプレイヤーの分身である少年とトリコの関係性を言葉を使わずに実際のゲームプレイ映像だけで表現している実に秀逸なトレイラーです。
「人喰いの大鷲トリコ」の映像を見ていると、ワールドワイドタイトルの開発とは発売される様々な国の文化や慣習を考慮・包括した上でグローバルに作り上げる必要があるのだなと感じさせます。単に画面上の文字をローカライズする事を考慮するだけではないのですね。
マーケットの主力である北米だけに注力し、その文化にすり寄りしっぽを振る方向で利益を求める手法もあるのでしょうが、結局のところ口先とは違い日本のゲーム業界のことを考えている施策ではありません。日本で売れなくても自分の会社、突き詰めれば自分だけは北米市場で生き残っていくことだけを考えているエゴ丸出しの姿勢と受けることしか出来ません。会社でもいますよね、仕事は出来ても上層部の機嫌を取ることだけに注力して部下や同僚や関連部署等への配慮を全く行わない中間管理職が。
話を戻しましょう。
上田氏のインタビュー記事にもあるとおり、「人喰いの大鷲トリコ」はライトユーザへの訴求も求められるタイトルです。なるべく操作はシンプルに、そして取っつきやすく奥深く・・・アクションアドベンチャーにとって操作体系とゲームバランスの調整はゲームの面白さそのものを左右する生命線です。トレイラーの最後には「Coming Holiday 2011」と表記され発売時期が明らかになった訳ですが、発売までの1年間が開発の本当の山場になるのかも知れませんね。
続報は来年のE3 2011あたりになるのでしょうかね、今から楽しみで仕方ありません。