さすがにイベント期間中と言う事もあって当ブログも3DSの記事ばっかり書いている気がしますね。新しい情報を多量に入手して順次噛み砕いていく行為は楽しいものです。

さて、「Nintendo World 2011」の開発者インタビュー記事をご紹介します。ようやく明らかにされた開発陣の本音?らしき部分もちらほらと読み取れる興味深いインタビューです。







任天堂、「NINTENDO WORLD 2011」レポート。展示、イベント、セガとコーエーテクモ開発者インタビューをお届け! - GAME Watch

インタビュー記事の中で気になったのは下記の2点です。

・「戦国無双 Chronicle」鯉沼久史氏
「欲をいえば、もうちょっとマシンパワーがあるといいかなとは思いました。」

・「DEAD OR ALIVE Dimensions」早矢仕洋介氏
「実際今回お出ししているものは、立体視状態だと秒間30フレームですけど、これ実は立体視をオフにすると秒間60フレームで動くようになっています。」


コーエーテクモゲームスの無双シリーズに関わってきた鯉沼氏とTeamNINJAの早矢仕氏は共にハイエンドなHDゲームを開発していただけあって、既に3DSの性能を限界近くまで使ってしまったようです。勿論、今後ハードウェアへの理解が深まることで限界ラインは引き上げられることでしょうが、ロンチの時点でこのような発言を読むことになるとは思いませんでした。

この辺り、任天堂が自社開発するタイトルはリアルなグラフィックやモーションが求められない事もあり、ハードウェアの限界設定は我々やサードパーティが思っていたより低いのかも知れません。勿論6年の歳月が経過している訳ですからPSPと比べると高性能なのは間違いないとしても、据置機と同じような感覚で開発出来るほどのパワーは秘められていないようです。

そして、今後2Dグラフィックの美しさを追求したり、開発期間やコストと3D効果を天秤に掛けるソフトハウスが増える事で売りであったはずの「裸眼3D」が形骸化されてしまう可能性もあるでしょう。当面の間PSPとのマルチ展開を考えているソフトハウスは勿論、DSオンリーだったソフトハウスは開発技術の問題から3Dをパスしそうです。

そして、肝心の3D立体視効果はソフトウェア開発技術やセンスに依るところが大きいですから「やらない方がマシ」という評価を下されるゲームも増えてくるでしょう。現時点で既に持ち方やモーション操作と3D立体視の相性についても指摘されていますし、技術力やセンスに自信があるソフトハウス以外からは「邪魔」な機能と認識されてしまうのは実に悲しい。HDタイトルと同様、3D開発技術やセンスはコストや期間を掛けて作り続けないと向上する訳が無いのです。


少し話を変えます。

今回、色々と発表されているタイトルをチェックしていて一番感じたことは「DSからの世代交代による底上げ」です。DSのみでリリースされていたタイトルが、ハードの世代交代に伴いグラフィックの向上をそれなりに要求される訳です。大手は高性能ハードへの対応は問題無いでしょうが、DSオンリーだったソフトハウスに対しても技術向上が求められる事は良い傾向でしょう。

前述した3D技術に関してもそうですが、今後は開発力のある大手とDSのみでやっていたソフトハウスとの技術格差が浮き彫りになるでしょう。厳しい立場に追いやられるソフトハウスも出てくるかもですが、一介のゲームファンとしては業界の技術レベル底上げは大歓迎・・・と言いますか3DSクラスの底上げでは世界との技術格差が縮まるというレベルではないのですけどね。それでも少しずつでも前に進んで欲しいのです。