当作品は全編3D立体視及びPlayStation Moveの環境でプレイしました。一通りプレイした後の感想をポイントごとに書いてみました。

・グラフィック
今までも散々映像や体験版等でKZ3の美しいグラフィックを見ていたわけですが、製品版の実機映像は格別です。本当に最初から最後まで作り込まれた映像の素晴らしさには惚れ惚れしてしまいます。

シングルキャンペーンでのあるセクションでは複数のスナイパーに囲まれた状態で迎撃するステージがあります。緊迫し張り詰めた雰囲気の中でライフルの照準を狙いながら周囲を見回している際も「本当に細部まで作り込まれているなぁ」とひたすら感心していました。

・3D立体視
3D立体視ゲームファンとして、発表された時からKZ3の3D演出を楽しみにしていました。初めて国内で当タイトルが発表された時もSONYの3Dコンテンツ戦略の大きな柱の一つとしての紹介でしたし、E3 2010でも大々的なデモンストレーションが話題になっていましたからね。

まずはカットシーン。こちらは映画的な演出がふんだんに採用されていますので3D効果は抜群です。私はあまりゲームの映画化には興味がない人ですが、3D演出を極めたキルゾーンの映画なら観てみたいと思わせる程の出来映えです。

次はゲームシーン。極寒の地での風雪や武器演出等で飛び出しの演出、そしてステージは奥行き効果が見事で相当広々と感じましたね。とはいえ私自身のKZ3プレイは遠方から隠れながらチビチビと倒していくチキン戦法ですので、ゲームプレイ画面自体は結構地味だったりします。上手い人がガシガシと近接戦闘等を使いこなしながら果敢に突撃するようなゲームプレイならば3Dの効果も増大するでしょうね。

なお、私は常時3D立体視オンでプレイしていましたが、目立ってフレームレートが落ちているとは感じませんでした。

・PlayStation Moveによる直感的で高精度なゲームプレイが可能に
3Dと並ぶ今作品のエポック。SCEが昨年リリースしたモーションコントローラPlayStation Moveに完全対応したコアゲームとして注目されていましたが、私の予想を遙かに上回る高性能っぷりを発揮してくれました。正直なところ、Moveに相当助けられました。もしかするとMoveが無ければ、エイム絡みで嫌になって投げ出していたかも知れません。実際に前作KZ2は、とある中盤のボスを照準を合わせきることが出来ずに倒せなかった訳ですから。

MoveにおけるFPSプレイの特徴は思ったポイントにピタリと止め続ける事が可能なところです。その点だけはマウスの方が優れているのですが、Moveとナビコンを組み合わせる事でゲーム的な直感的操作と高精度ポインティングデバイスが組み合わさった新しいプレイ感覚を楽しむことが出来ます。

ただし、KZ3のMoveプレイも完璧ではありません。

一つ目は視点移動の問題。KZ3をMoveで操作したときに最初に感じる違和感は「照準と視点移動がリンクしていない事」です。画面上でデッドゾーンと呼ばれるエリアの範囲内ならばポイントをいくら動かしても視点は固定されたままで、旋回や視点移動を行うためにはデッドゾーンを越えた範囲にポイントを動かす必要があります。

その結果、KZ3の売りの一つであった多彩な近接戦闘がMoveプレイでは思うように堪能できませんでした。基本ヘルガスト兵に接近されたらもうアウトという感じでプレイしていましたね（この辺りは私のスキル不足も大きいのでしょうが）

二つ目は、一旦Moveコントローラの電源が落ちてしまうと復帰時には再キャリブレーションが必要な事。本体の省電力設定次第では暫く放置するとMoveの電源が落ちます。食事や休憩でゲームを中断した際、再度電源を入れるとキャリブレーションのやり直しが強制的に発生します。精度の高いプレイを維持するためだとは判っていても、デフォルトでは設定維持して欲しかったような・・。

いくつか気になった点を書いてみましたが、KZ3のシングルに関してはこれでも問題はありません。

基本はカバーに隠れながら敵を少しずつ戦滅して進行していくタイプのゲームですので、精度の高いエイムの貢献具合が遙かに勝っているのです。でも、素早い旋回が求められるスポーツ系FPSならどうかな。「キルゾーン3」の操作デバイスによる勝敗比率等が気になりますね。

まだまだ試行錯誤が必要なデバイスではありますが、KZ3でのMoveフルサポートは合格点以上だと感じました。

【その②に続く】

KILLZONE 3 | プレイステーション® オフィシャルサイト

KILLZONE 3 ソニー・コンピュータエンタテインメント  2011-02-24 by G-Tools