「キルゾーン 3」感想、その②です。今回はゲーム本編について書きます。なお、ストーリーに関する直接的なネタバレは控えていますのでご安心を。
・多彩なゲームプレイ
FPSは一人称視点という事もあって銃撃だけでは単調になりがち・・・という事でKZ3でも多彩なステージや乗り物が用意されています。
新要素として加わったジェットパックもそのうちの一つです。体験版で操作可能ですので、試した方も多いんじゃないかな。若干操作は癖がありますけど空を飛んでいるときの浮遊感は面白いですし、弾薬無制限の武器も使用可能になります。使用できる機会があれば積極的に試してみると良いでしょう。
でも実際のところ、シングルプレイ本編ではプレイヤーがジェットパックを操作できる機会は思ったよりも少なく、どちらかというと敵側が使ってくる事が多いですね。まぁヘルガストの兵器ですから仕方ないか。
・豊富な乗り物
同様に飽きさせない工夫として色々な乗り物も用意されています。イントルーダーや戦車やロボ等々の乗り物に乗っているだけでテンションが上がりますね。特にこれらの乗り物に装備されている武器は弾薬無制限だったりしますので好き放題に打ちまくれるのが魅力的です。ただし自動操縦の乗り物が多かったのは少し残念。その分銃撃に集中できるというメリットはありますけどね。
・相棒、そして仲間達
ゲームプレイの大半には騒々しい相棒・リコたんが側で戦ってくれます。プレイヤーの分身であるセブが倒れた場合でもリコが近くにいれば速やかに蘇生してくれますし、トラブルメーカーだけど憎めない頼れる相棒です。
そしてリコ以外にもISAの仲間と戦うステージは攻略も楽ですし、なにより一緒に戦っている感が伝わってきます。まぁ私は仲間が多いステージになると、弾薬庫の近くでロケットランチャー等をひたすらぶっ放しているだけのチキンプレイに徹してしまうのですが(笑)お陰で仲間がいなくなるとヘボイヘボイ。
・ステルスステージ
キャンペーンの途中でステルスステージがあります。ハイテンションな銃撃戦の合間に挿入される形で良いアクセントになっていますが、個人的にはちょっと作りが雑かなと感じました。「絶対見えてるだろ・・・」という状況でも敵に気付かれない場合も多々ありました。巡回している敵兵も仲間が次々と倒されているのに、直接目視されない限りはアラートにならないとか少し作りが甘いような気がします。この辺りは小島監督の手がけるMGSシリーズの作り込みは異常なレベルだなと再認識しましたね。
・ボリューム
のんびりとプレイした事もあって9時間前後はかかったと思います。上手い人なら6時間とかで終了とかしちゃうのでしょうかね。濃密なゲームプレイが楽しめましたので私は満足していますが、短いと感じる人も多いかもです。
確かに「零の軌跡」のようなタイプのJ-RPGはクリアまでに60時間とか掛かるわけですが、FPSのような集中しっぱなしの時間が続くわけじゃないですからね。釣り対決とかもあったりするし。個人的にはアクション(特にFPS)ならばのんびりとプレイしていても10時間程度でクリアできるゲームが嬉しいです。目安は休日が2日有ればクリアできるボリュームです。ゲームの購入を検討する際に、一通りクリアまでの目安時間に私は注目しています。
・止め時が掴めない
KZ3と同じくSCEワールドワイドタイトルの「アンチャーテッド2」や「ゴッド・オブ・ウォーIII」のようなトップクラスのゲームはインストール無しで、尚且つ殆どロードがありません。ゲーム進行がシーケンシャルである事や、ステージの合間にカットシーンを挿入して先読みしてしまう事等の条件がありますが、「キルゾーン3」でも同様に殆どディスクロードを感じさせないゲームプレイを実現しています。
この点は素晴らしいことなんですが、お陰で止めるタイミングが掴めなくなります。気が付けば次のセクションまで進めていたりしますし、ゲームを中断して次回続けてみると思ったよりも戻されていたりしたことがあります。ゲームを終了した後の再開ポイントはもう少しゲーム的に判りやすくして欲しかった。
・感想
実は「キルゾーン3」が私にとってはキャンペーンを一通りクリアした最初のFPS作品となりました。今まで数本しかプレイしていないけど、これはめでたい。確かに今回のクリアもMoveに頼りっきりという事もあったのでFPSに対する苦手意識が払拭された訳では無いのですが、少なくともMove対応FPSなら積極的に遊びたいと感じさせるだけの出来映えでした。元々FPSは苦手なだけで「思うようにプレイ出来たら面白いだろうなぁ」とは昔から思っていたわけですし。
一方で物語についてはゲームプレイの面白さと比較すると若干見劣りしてしまいます。内容については書きませんが、カットシーンは迫力がありますし展開自体も盛り上がるはずなのに、クリアするまでプレイしてみると全体的に平坦だった印象が強いのです。このあたりは本当にもったいないなぁ。
海外ではシングルキャンペーンのボリュームが少ない事やストーリーの盛り上がり方に不満を感じているゲーマーも少なからず存在するようですが、個人的には濃密で最後まで飽きさせず楽しませていただいた作品でした。プレイ時間も私にはベストでしたし。
「キルゾーン3」の素晴らしい世界観や作り込まれたグラフィック、そして何より蠱惑的なヘルガストたん達に魅力を感じた方ならプレイしても損はないと思います。後は私のように「FPSはエイムが苦手だから・・・」と感じている方にも是非ともプレイしていただきたい。Moveに対応した体験版も配信されているのでお試しあれ。
この勢いで挫折した前作「キルゾーン2」に再挑戦したいところですが・・・Moveへの対応パッチは来ないですかね。
KILLZONE 3 | プレイステーション® オフィシャルサイト
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KILLZONE 3 ソニー・コンピュータエンタテインメント 2011-02-24 by G-Tools |