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gamescomのSCEカンファレンスで正式に命名された「Cross Buy(クロスバイ)」についてつらつらと。





”これまでで一番”手応えのある発表会でした SCEワールドワイド・スタジオ プレジデント吉田氏インタビュー【gamescom2012】 - ファミ通.com

──新たに発表されたタイトルに関して、日本での発売はどうなるのか、気になっている日本のファンも多いと思います。
吉田 SCEジャパンスタジオの2タイトル(『rain』と『PUPPETEER』)に関しては、日本でも発売します。その他のタイトルに関しては、現時点ではお答えできませんが、時期が来たらお伝えできるのではないかと思います。日本での対応が未発表の”クロスバイ”は、現時点では欧州向けのサービスということになります。
PS3_Vita_CrossBuy

まずは「Cross Buy(クロスバイ)」とは何ぞや。

これはPS3版とVita版が用意されているタイトルのうち、どちらか一方を購入すると、もう一方のバージョンも無料で提供されるというプログラム。

今回のgamescomでは「PlayStation All-Stars Battle Royale」「Ratchet & Clank: Full Frontal Assault」「Sly Cooper: Thieves in Time」の3本がクロスバイ対応と発表されています。更にはサード側もEAが「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」でクロスバイを「検討中」とコメントしたことが話題になっています。

PS Vitaユーザからすると夢のような「クロスバイ」プログラムですが、少なくとも日本では前途多難です。

一つ目は、日本での「クロスバイ」対応が怪しいこと。
先ほど引用した吉田修平氏のコメントから、日本での対応は未定、要するに上記タイトルが日本で発売されとしても「別途発売される」かも知れないのです。とはいえ、今年3月に配信された「モーターストームRC」がクロスバイを先取りしていますので、可能性がゼロという訳では無さそうです。

二つ目は、日本がパッケージのダウンロード販売に消極的なこと。
日本ではパッケージのみの販売になりそうな「PSオールスター」のVita版購入者がPS3版を入手する事は難しいでしょう。そしてクロスバイが適用されるのはPS3と同一PSN IDが紐付けされたVitaのみのはずで、この致命的な問題については後述します。

三つ目は、「メーカーのメリットがない」。要するに商売的に旨みがないこと。
Vita版開発だってタダではありませんので、どちらかを無料にすることの「メリット」が無い限り、サードは勿論、ファーストも積極的に採用したいとは思わないでしょう。サードの場合は他プラットフォームとの兼ね合いもあります。

そしてこれらの要因を鑑みて、「じゃ海外版買えば良いんじゃね」と気軽に出来ない事も日本のVitaユーザに対する逆風です。何度も当ブログでは取り上げているとおり、Vitaは一つのアカウントしか登録できませんので、PS3と同じPSN IDを登録する為には海外アカウント用Vitaを用意するしかありません。

私も数日海外アカウント専用Vitaを使っていましたが、予想以上に使い物にならないのでご注意を。国産ゲームのDLC購入とかも出来ないですからね。

SCEもVita普及及びユーザの満足度追求のために色々と模索していることは伝わってきますが、やはりファースト・サード問わずに「浸透する施策」を用意しないと先が続きません。

PlayStation News: PlayStation Cross Buy announced: Buy a PS3 game, get the Vita version free - ComputerAndVideoGames.com

モーターストームRC | プレイステーションR オフィシャルサイト