
2013年1月31日(木)経営方針説明会 / 第3四半期決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡まず気になったのは「ニンテンドー3DSの反省」というくだりです。今までも岩田社長の口から同じ言葉が幾度となく出ていますが、今回は「3DSのアンバサダーは失敗だった」という意味に受け取れてしまいます。3DSは慌てて値下げをしたことで本体台数を爆発的に増やすことに成功しましたが、同時に財務体質を悪化させました。更にはWii Uの現状から「この調子ならすぐに値下げするでしょ?」という期待をゲームファンに抱かせてしまっているのが事実。
Wii Uについては、すでに価格的には製造原価に対して、かなり踏み込んだ価格でご提案しておりますので、値下げという選択肢は予定しておりません。この点はあらかじめ明確にしておきたいと思います。このことは、ニンテンドー3DSの反省を活かすという意味でも、あらかじめお知らせしたとおりです。
ただし、現状ではまだ製品価値をしっかりとお伝えできていないことがはっきりしましたので、ソフトが充実する前に、そのことにしっかりと取り組むと同時に、Wii Uの価値をうまく伝えられるソフトを充実させることにも同時に取り組んでいきます。
これでしばらくはWii Uの値下げは無い・・・と思いたいところですが、「今期」とも「来期」とも「未来永劫」とも明言していないのですよね。「今期はない」ならば2013年4月以降、要するにE3 2013の場で値下げを発表しても「OK」でしょうし、「1月中は予定していない」ならば2月1日にアンバサダーを発動しても「嘘をついた」事にはならないはずです。
任天堂の岩田社長が退任に含み、背水の陣で「Wii U」「ニンテンドー3DS」拡販へ | BUZZAP!(バザップ!)「コミットメント」発言を「背水の陣」という風に受け取るメディアも多いみたいですが、「為替」というエクスキューズを残していますので、幾らでも言い逃れは出来るでしょう。どのような結果が出ても岩田社長が退任しなくてもすむ方法はあると思いますが、もし円高に逆戻りして凄い赤字を叩き出したならば、今度こそ「ソフト専業」「ソーシャル展開」といった戦略変更を「トップすげ替え」によってドラスティックに行う事も可能でしょう。これからの1年間がゲーム業界にとっての大きな分水嶺になるかも知れませんね。
ロイター通信社の報道によると、任天堂の岩田社長は先日行われた2013年3月期第3四半期決算説明会において、来期の営業利益を1000億円以上にすることを「コミットメントだ」と述べたそうです。
これは1000億円を達成できなかった場合の責任問題を問われて答えたもので、コミットメントとは「果たすべき約束」を意味したビジネス用語であるため、達成できない場合は進退に関わることになります。あくまで為替の想定が変わらないことが前提条件ですが、ニンテンドー3DSとWii Uの拡販で達成を図るとしています。