
ご存じ西田宗千佳氏のマーク・サーニー氏インタビューが掲載されています。
【西田宗千佳のRandomTracking】マーク・サーニーが明かす「PS4 Pro」の秘密。「解像感の高い4K」のための工夫 - AV Watch
既にEurogamerに詳細なサーニー氏インタビューが掲載されていますし、一部内容は国内メディアでも翻訳されていますが、今回は国内屈指のテクニカルジャーナリストが直接サーニー氏から聞き出していますので判りやすいはずです。
幾つか気になる部分をご紹介。
サーニー氏:我々の目標は、PS4 Pro対応に関わる開発工数を、ゲーム全体の開発工数の「1%以下」に抑えることでした。そのターゲットは十分達成できているのではないか……と思います。
1%という数字は、単純計算だと開発期間3年の「大作」でも10日程度か。なお、「Days Gone」のPS4 Pro対応は「2人月」(サーニー氏)だとか。
そして、当ブログでも少し前に取り上げた「追加1GBメモリ」について
サーニー:PS4 Proは「PS4世代」ですから、まったく異なるアプローチを採りました。実は、メモリーを1GB追加しています。これはGDDR5のメインメモリーではないです。サウスブリッジ側に、スピードの遅いDDR3のメモリーを用意しました。元々256MBのメモリーを搭載していたのですが、これを1GBにしたわけです。
PS4では、Netflixなどのアプリケーションが、ゲームが動作している際にもメインメモリーの中に常駐していました。そうすることで、素早く両者を切り換えられるようにしていたのです。
PS4 Proでは、コントローラーのPSボタンが押された瞬間に、Netflixなどを「増設したメモリー」の方に移動します。こうすることで、メインメモリーを1GB空けることが出来ます。このうち、512MBをゲームに割り当てます。すなわち、従来の「5GB」ではなく、「5.5GB」分使えるわけです。残りはほとんどが、4K化された、PS4のシステムメニューなどに使います。
国内ユーザなら「トルネ」の方が判りやすいか。私も殆どトルネを常駐させた状態でゲームをプレイしていますので、アプリの行き来時のラグが若干気になるかも。現行PS4でも少し引っかかる感じだし。
4Kを実現するチップ技術について
サーニー:PS4 Proでは、AMDのPolarisアーキテクチャから必要なものを採り入れ、また、一部はPolaris以降で採用されるものを採り入れています。Polarisでのテッセレーション(GPU側で粗めのポリゴンを自動分割し、ディテールを向上する技術。データ転送量削減に効果が高い)技術の改善に加え、たくさんの小さなオブジェクトの描画を加速するような技術も搭載しています。
(西田氏) Polarisとは、AMDの最新のGPUアーキテクチャのことである。PS4をPolarisベースにすると互換性の維持が難しくなるので、効率化のために必要な要素を組み込んで、より効率的に性能アップを図った、ということになる。
詳細な内容はリンク先をどうぞ。
「4Kでネイティブにレンダリングするなら、個人的な試算ですが、最低でも8TFLOPSは必要になるでしょう」とサーニー氏は言う。それは少なくとも、今年リーズナブルな価格で使える技術ではない。
6TFLOPSのゲーム機でもネイティブ4Kは楽勝ではないって事か。
2017年に「Project Scorpio」が登場すればPS4 Proとの比較で盛り上がる事になるでしょう。TFLOPSの単純比較ならば、今までのPS4とXboxOneの力関係が全く逆になりますが、現行機との互換性等を考慮するとスペック差ほど「見た目に違い」は生じないのかも知れませんね。
